野尻智紀が開幕戦のPPを獲得。昨年王者山本尚貴がQ1敗退の波乱【スーパーフォーミュラ第1戦予選】

©株式会社サンズ

 4月3日、2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1戦が開幕を迎えた。14時40分から行われた公式予選は、ディフェンディングチャンピオン山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)のQ1敗退から始まる衝撃の展開となった。ルーキーたちが続々と速さを見せつけていくなか、昨年の最終戦で富士スピードウェイのコースレコードを更新した野尻智紀(TEAM MUGEN)が、再び驚速ぶりを披露して開幕戦のポールポジションを獲得した。

 昨シーズンは1デー開催というイレギュラーなタイムスケジュールで行われたスーパーフォーミュラだが、2021年シーズンは通常の2デー開催が復活。土曜日の午前中に設けられた90分間のフリー走行で入念に準備してきた各車がポールポジションを目指して予選に挑んだ。

 今大会も、公式予選Q1はA組とB組の2グループに分かれて実施。14時40分からのA組には、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小高一斗(KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が出走した。

 トップタイムはいち早くアタックに入った大津。計測4周目に記録した1分22秒263がA組のターゲットタイムとなったが、これを上回るドライバーは現れず、トップでQ2進出を決めた。100分の3秒差で福住が2番手に、ルーキーイヤーの宮田が福住と1000分の1秒差で3番手に。4番手には1分22秒326で平川がつけた。

 続いてコントロールラインを通過したのは山本だったが、1分23秒144にとどまり暫定5番手。この後にカルデロン、阪口の2台が山本のタイムを上回り、ノックアウトぎりぎりの7番手に下がってしまう。最後にアタックに入った代役参戦の小高に注目が集まったが、1分23秒123で山本を100分の2秒上回り7番手に滑り込み。これで山本は8番手にドロップし、なんとQ2進出を逃すことになった。

 続くB組は15時にスタート。大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、中山雄一(KONDO RACING)、笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(KCMG)、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、野尻、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が登場した。

 A組では最初にアタックした大津のトップタイムが塗りかえられることなくセッション終了を迎えたが、B組では目まぐるしく順位が変わっていった。関口が1分22秒785でベンチマークになったが、すぐさま野尻が1分22秒337で逆転。続いて中嶋がこれを1000分の3秒塗り替えトップを奪取。さらに大湯が1分22秒140で中嶋に差をつけトップタイムを記録した。

 これで結果が決まったかに思われたが、さらにもう1アタックのチャンスを持っていた野尻が1分21秒994で逆転。トップタイムでQ1突破を決めた。以下、大湯、中嶋、笹原、国本、関口、坪井の7名が2進出。

 坪井は1分23秒295のタイムで7番手にとどまっていたところを、中山が100分の4秒差で上回って一時8番手にポジションダウンしたが、野尻同様にチェッカーフラッグが振られる直前にコントロールラインを通過していたことからもう1アタックのチャンスを得ていた。ここで1分23秒050に自己ベストタイムを更新。再び7番手を取り戻し、Q1突破を果たした。一時はQ2進出圏内に入っていた中山と、大嶋の2台がここで敗退となった。

 15時20分に7分間のQ2がスタート。Q1のB組同様次々とトップタイムが塗りかえられていった。まずはルーキーの阪口がQ1での自己ベストタイムを更新して1分21秒956をマーク。これを大湯が1分21秒779で上回り逆転。そして野尻が1分21秒595でこれを破りトップに立った。

 続いてカルデロンが1分22秒584をマークして暫定4番手につけたが、笹原、福住、宮田らが好タイムをたたき出し、カルデロンは最終的に12番手。ここで予選敗退となったが、2シーズン目の初戦で初のQ2進出、ベストグリッド獲得となった。最後にチェッカーを受けた中嶋が8番手に滑り込んだが、走路外走行違反の最低を受けタイム抹消。暫定9番手だった大津が繰り上げでQ3進出を決めた。他、関口、坪井、国本、小高がQ2敗退となった。

 ポールポジションが決まるQ3は午後3時37分にスタート。大津、野尻、笹原、福住のホンダ勢がまずはコースインし、阪口、宮田のトヨタ勢が続いた。前方との間隔を開けて平川がコースへ、最後に大湯がピットを後にした。

 最初にアタックラップに入った大津は、セクター1、セクター2ともタイムが伸び悩む一方、野尻はセクターベストを並べていく。チェッカーフラッグが振られる間際にコントロールラインを通過すると、1分21秒173を記録してトップに立った。続く笹原と福住は2番手、3番手にとどまり、その後はそれぞれがベストラップを記録するも順位は変動せず。期待された平川も1分21秒にとどまり7番手となった。

 最後にチェッカーを受けた大湯はセクター1こそ野尻より速いタイムを記録したが、最終的に1分21秒396で届かず2番手に。野尻はまだセクター1をベストタイムで通過し連続アタックに入っていたかに思われたが、これでポール決定の確信を得たか、セクター2でアクセルを緩め、そのままピットへ。昨年の最終戦からシーズンをまたいで2戦連続となるポールポジションを獲得した。フロントローの大湯は昨年逆転優勝を飾った第6戦鈴鹿大会に並ぶ自己ベストタイのグリッド。3番手の笹原、4番手の福住と上位4台にホンダ勢が並んだ。

 2020年のスーパーフォーミュラ第1戦富士、41周の決勝は4月4日14時10分から行われる。新たなシーズンの最初の勝利者はどのドライバーとなるのだろうか。

ポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)
開幕戦のポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)
自己最高位タイとなる2番グリッドを獲得した大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
パルクフェルメで会話する野尻智紀(TEAM MUGEN)と大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
代役参戦ながら3番グリッドを獲得した笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
4番グリッドを獲得した福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
トヨタ勢最上位となる5番グリッドを獲得した阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
まさかのQ1敗退となった山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
7番手に終わった平川亮(carenex TEAM IMPUL)