エンゼルス・バットリーが引退を表明「野球への情熱を失った」

日本時間4月4日、エンゼルスの救援右腕タイ・バットリーは自身のインスタグラムを更新し、現役引退を表明した。バットリーは開幕ロースターから漏れ、代替トレーニング地への降格を拒否して制限リストに登録されたことが報じられていた。ジョー・マドン監督は「彼は野球から離れることを選んだ。我々は彼の意思を尊重したいと思う。若者がこのような選択をするのはいつだって驚きだよ」と話していたが、28歳という若さでの早すぎる引退となった。

バットリーは「人生を通して他人のために野球をしてきた。他人が間違っているということを証明したかった」という。学生時代、教師に「野球選手にはなれない。目標を変えたほうがいい」と言われたことがあり、それが間違っていると証明することがモチベーションだった。メジャー昇格を果たし、その目標を達成したバットリーにとって野球はただの仕事となり、野球への情熱や愛情は徐々に失われていった。「殿堂入りやワールドシリーズ制覇、オールスター出場を目指したことはない。他人が間違っていると証明するというとても難しいことを達成した」と自身のキャリアには満足しているようだ。

バットリーは2018年にメジャーデビューし、2019年は72試合に登板して6勝7敗2セーブ、26ホールド、防御率3.98を記録。しかし、昨季は27試合で防御率5.81と成績を落とし、今年のオープン戦では7試合で防御率3.86ながら安定感を欠くピッチングが目立ち、開幕ロースターから漏れていた。球団に引退の意思を伝えたところ、考え直すように言われたものの、時間を取って考え直しても意思は変わらず、改めて球団に連絡して引退の意思を伝えたという。

「愛していないものを続ける気力がなくなった」とバットリー。今後は「普通の人間」として自分が本当にやりたいことをやるつもりだという。2年前にはチームの主力として活躍していた28歳のリリーバーによる、異例の引退劇となった。

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