【切手美人inザ・ワールド】2012年・フランス カトリーヌ・ドヌーヴ実姉の短い生涯

カトリーヌ・ドヌーヴの姉フランソワーズ・ドルレアックの切手

いかにもフランス人女優といった面持ちで、雰囲気のある切手美人だなと思ったら、カトリーヌ・ドヌーヴの実のお姉さんでした。名前はフランソワーズ・ドルレアック。切手(2012年フランス発行)の右下に誕生年と没年が書いてありますが、享年わずか25です。亡くなった日、彼女は飛行機に乗り遅れないよう、ニース空港に向かって猛スピードでレンタカーを走らせていました。そして濡れた路面でスリップし、道路標識に激突炎上。即死でした。

両親とも俳優の家庭に生まれ、フランス国立高等演劇学校を出て、ディオールのモデルになるなど10代のころから注目を集めていました。短いながらも女優としてのキャリアはなかなか立派です。

映画「リオの男」でジャン・ポール・ベルモンドと共演。フランソワ・トリュフォー監督の「柔らかい肌」、ロマン・ポランスキー監督の「袋小路」でヒロインを演じ、ジャック・ドゥミ監督の「ロシュフォールの恋人たち」では妹のドヌーヴと共演して愛らしい歌と踊りを披露しています。

最後になった映画はケン・ラッセル監督のスパイ・アクション「10億ドルの頭脳」。映画の出来は賛否両論のようですが、スクリーンに残る美しい姿は印象的です。

「ロシュフォールの恋人たち」の舞台となったロシュフォール駅前広場はフランソワーズ・ドルレアックと名付けられ、早世した彼女の記憶をわずかに残しています。

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