V長崎 激しく、泥くさく…甲府に粘り勝ち たぐり寄せた勝ち点3

【V長崎-甲府】後半19分、V長崎のGK徳重がセーブしたボールを必死にクリアするV長崎の二見(左)=トラスタ

 明治安田J2第6節第1日、甲府に競り勝ち開幕戦以来となる白星を飾ったV長崎。
 理想のサッカーには程遠い。だが、今のV長崎にとってはベストの勝ち方だろう。激しくぶつかり、泥くさく走る。決勝点になったのは終盤のセットプレーだった。勝利へ向かう気持ちの強さでたぐり寄せた勝ち点3。「選手たちがよくやってくれたという気持ちでいっぱい。ほっとした」。試合後の会見で、吉田監督から開幕節以来の笑みがこぼれた。
 一度は追いつかれ、なおも劣勢を強いられていた。それでもDF陣が体を張り、GK徳重が再三のビッグセーブで逆転を許さない。気迫の乗ったプレーが流れを呼び込み、今季複数失点なしの甲府から2点を奪った。
 前節の大敗からわずか1週間で修正できた背景には、意識改革がある。今週最初の練習で選手だけのミーティングを実施。思いの丈をぶつけ合い、新里は「みんなの意思、気持ちの再確認をした。その日から、アクティブに動けるようになったし、建設的な議論が生まれた」と変化を感じ取ったという。試合3日前には、全体練習をファンクラブ会員向けに公開。現状を打破しようとするさまざまな工夫が、チームを本気にさせた。
 試合前、富樫は言っていた。「甲府戦をきっかけに、変われる可能性がある。そういうきっかけにしたい」。この日はV長崎にとってJ2通算300試合目。フレイレの先制弾はJ通算400ゴール目だった。潮目を変えるにはちょうどいい。ここからは右肩上がりに「V」の軌道を描いていく。

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