Unity・HERE、車載システムのインターフェース開発で提携

マルチプラットフォーム向け統合開発環境「Unity」を提供するユニティ・テクノロジーズ・ジャパン(以下、Unity)は30日、位置情報と技術のプラットフォームを持つHEREテクノロジーズ(以下、HERE)と、最先端のリアルタイム3Dレンダリング機能を備えた次世代の車載組込みシステムのヒューマンマシンインターフェース(以下、HMI)の開発で提携することを発表した。今回の提携は、自動運転、シミュレーション、都市計画、デジタルツインのための次世代位置情報技術の開発にも適用される。

Unityのプラットフォームは、携帯電話、タブレット、PC、コンソールゲーム機、VR・ARデバイス向けのインタラクティブなリアルタイム2D、および3Dコンテンツを作成、実行、収益化するための包括的なソフトウェアソリューションを提供している。今回の連携の目的は、自動車用の地図データやサービスの要素と、高度なリアルタイム3Dエンジンを組み合わせることで、地図やインフォテインメントなど、自動車のユーザーエクスペリエンス(UX) にデザイン性をもたらすことだ。

両社はテストとして、Unityのリアルタイム3DプラットフォームとHEREの位置情報技術を組み合わせた機能を紹介するために、組込み型の車載インフォテインメント(IVI)システムのPoC(概念実証)のアプリケーションを開発した。このアプリケーションは、Unityのプラットフォーム上で作成したもので、HEREの3D都市データを使用し、サンフランシスコの3Dマップをワイドスクリーンでナビゲーションする。HEREはこれまでに、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの70以上の主要都市を3Dマッピングしており、将来的には全世界の3Dマップを提供する予定だ。

このアプリケーションの目的は、HMIのワークフローデザインを改善することにより、何をできるようになるかを明確にすることだ。通信技術を提供するクアルコム(Qualcomm)の車載システムであるスナップドラゴン(Qualcomm Snapdragon)上では、このアプリケーションの動作に成功している。

HEREの3Dマッピングを使ったアプリケーション

■UnityのVerticals担当副社長のジュリアン・フォーレ(Julien Faure)氏のコメント

「車の購入者は、馬力や燃費よりも、車とのインタラクティビティを重視するようになりました。UnityがHEREと協力することで、消費者の需要に応えることができ、当社のエコシステムを搭載したすべてのディスプレイで継続的なユーザー体験を提供することができます。HEREのような業界のリーダーと協力することで、Unityはダイナミックなインフォテインメント、没入型のオーグメンテーション、地理空間やメディア体験を、すべてスムーズなユーザー体験に統合できる可能性を秘めていると感じています。」

■HEREのChief Product Officerであるヨルゲン・ベーレンス(Jorgen Behrens)氏のコメント

「Unityとのコラボレーションの目的は、現実を魅力的に表現したカーナビゲーション体験を求めるお客様の要望に応えることです。Unityの強力な3Dレンダリングエンジンは、HEREの3D都市データ、ルートガイダンス、ナビゲーションが見事に表現され、ドライバーに没入感を高める体験を提供します。」

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