スバル、新型『BRZ』の日本仕様を発表。日本では2021年夏の販売を予定

 スバルは4月5日、TOYOTA GAZOO Racingとのオンライン合同イベントのなかで、新型『BRZ』の日本仕様を発表した。2012年に発表された初代モデルに次ぐもので、すでに北米向けには発表されているモデルだが、日本では2021年夏に販売されることも明らかにされた。

 トヨタ86との兄弟車として、2012年のデビュー以来、TGR 86/BRZ Race、そしてスーパーGT GT300クラスでも活躍してきたスバルBRZ。2021年に向けてもGT300規定車両として新型BRZが投入されるが、待望の新型BRZの日本仕様が、TGRとのオンライン合同イベントのなかで発表された。

 新型GR 86と共同開発されたBRZは、クルマのベースを共有しながらも、それぞれの個性を引き出した異なる走りの味をもたせることに注力。GR 86開発チームとお互いに切磋琢磨した結果、新型BRZでは「誰もが愉しめる究極のFRピュアスポーツカー」を実現した。

 外観では、ひと目見ただけで高い走行性能を予感させる、躍動感を持ったスポーツカーらしいデザインに仕上げた。より低く、よりワイドに設置されたヘキサゴングリルが低重心を主張するとともに、グリルから始まり後方へ連なる芯の通った造形で、体幹の力強さを表現。絞り込んだキャビンと力強く張り出したフェンダーのダイナミックな抑揚が、スポーツカーらしい走りへの期待感を高める。

 そしてエンジンは、初代モデルから排気量を拡大した2.4リッター水平対向4気筒エンジンを搭載。徹底した吸排気性能の強化とフリクション低減によって、トルクを向上。レスポンスも早く、滑らかに高回転まで吹け上がるスポーツカーらしいフィーリングとともに、力強い加速をもたらす。またAT搭載車では、SPORTモードの制御が進化。クルマがスポーツ走行中と判断した際には、ドライバーの意思や操作に応じて、最適なシフト操作を自動的に行い、よりダイレクト感のあるコーナリングを可能にする。

 また、スバルグローバルプラットフォームの開発から得たノウハウを取り入れ、さらにインナーフレーム構造や構造用接着剤などの採用によりボディを再構築することで、初代モデルに対しフロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%と大幅に向上。ステアリング操作への応答性を高め、より軽快な動きを実現するとともに、旋回時のトラクション性能を向上させた。

 さらにルーフ、フード、フロントフェンダーの素材に軽量なアルミを採用。エンジン出力や安全性の向上にともなう重量増を抑制すると同時に、前後左右重量の適正化やさらなる低重心化を実現し、運動性能を向上している。

 インテリアは、シンプルな水平基調のインストルメントパネルや低く設置したメーターバイザーにより、広い視界を確保。集中して運転を愉しむことのできる室内空間を提供。7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターを採用し、必要な情報をわかりやすく表示。日常の運転からスポーツ走行時まで、あらゆる状況下で直感的に情報を把握することを可能にする。

 またAT車には、運転支援システム『アイサイト』を標準装備。プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールが、安心で快適な移動をサポート。張力鋼板の採用拡大などによりボディを強化するとともに、各種エアバッグをはじめとする乗員保護システムを強化することで、衝突安全性能を向上している。

 今回の新型BRZは、2019年9月にトヨタとスバルの間で合意した『新たな業務資本提携』の中で掲げた『もっといいクルマづくりへともに取り組む』ことの具体例であり、これまでの自動車業界における協業の形に捉われない、両社にとっての新たなチャレンジだとしている。

「今後も、トヨタとお互いの持つ強みを持ち寄り、さらに関係を深めることで、『もっといいクルマづくり』の可能性を追求していきます」としている。

 日本での販売は2021年夏を予定している。

新型スバルBRZの日本仕様
新型スバルBRZの日本仕様
新型スバルBRZの日本仕様
新型スバルBRZの日本仕様のヘキサゴングリル
新型BRZの2.4リッターエンジン
新型GR 86とスバルBRZ
新型BRZのインテリア
新型BRZのシフトノブ
2021年のスーパーGTに参戦する新型スバルBRZ GT300
富士スピードウェイを走る新型スバルBRZ GT300
2020年もスバルBRZ GT300をドライブしてスーパーGTに参戦する井口卓人と山内英輝

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