アストラゼネカ日本法人、承認後は迅速にワクチン供給 すでに原液生産開始 

 英製薬大手アストラゼネカ日本法人のワクチン事業トップがオンラインで会見し、同社の新型コロナワクチンの薬事承認、および供給見通しについて展望を示した。承認は5月以降になる見通しだが、承認後、迅速に供給できるよう国内拠点での生産体制を準備していることを明らかにした。

日本国内の委託先がすでに原液生産開始

 6日、オンラインで会見したのは英製薬大手アストラゼネカの日本法人でワクチン事業のトップを務める田中倫夫氏。同社は昨年12月、日本政府との間で1億2000万回分のワクチン供給契約を締結したほか、そのうち大多数の9000万回分のワクチンを日本国内で生産する意向を示し、生産体制の構築を進めている。

 この日の会見で田中氏は、ワクチン原液生産を委託しているJCRファーマ(兵庫県)が先月末までにすでに原液の生産を開始し、次の製剤化工程を担当する第一三共(東京)とKMバイオロジクス(熊本県)へ出荷していると明かした。2月に申請した薬事承認はまだ降りておらず5月以降にずれ込む見通しだが、承認が得られ次第迅速に生産、供給できるように動いているという。

 同社のワクチンは他社のものと比べ、一般的な冷蔵庫の温度(2〜8℃)で保管できるのが特徴で、移送や施設での管理が容易な点がメリット。日本国内で生産することも合わせ、承認が得られればワクチンの早期接種への道が大きく開けそうだ。

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