「精神的?」「怖いのかな?」 西武・辻監督も首傾げる球団ワーストタイ14四死球

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

リリーフの吉川も火に油を注ぎ2-13の大敗

■楽天 13ー2 西武(6日・メットライフ)

西武は6日、本拠地メットライフドームで行われた楽天戦で2-13の大敗を喫した。先発の松本航投手が1回に4連続四球で先制点を許したのをはじめ、計4投手で13四球&1死球を献上。1試合14四死球と13四球は、いずれも球団ワースト記録タイ。西武投手陣に何が起こったのか。

先頭の辰己を3球三振に仕留め、好スタートを切ったかにみえた松本。ところが、2番の小深田を四球で歩かせると、島内、浅村、茂木にも連続四球を与え、押し出しで先制点を許した。「わからないね。球自体はいい球が行っていると思ったんだけど、なんでああなるのか? 精神的なものなのか? 怖いのかな? そこがわからない」。辻発彦監督は試合後、首をひねるしかなかった。

2回には味方の中村剛也内野手が同点ソロを放ったが、続く3回に2死走者なしから、茂木にバックスクリーンへの勝ち越しソロを浴びる。「味方が得点した直後のイニングは必ず0に抑えろ」という勝利の鉄則を守れなかった。

「申し訳ないです。初回からリズムに乗って投げることができませんでした」と松本。昨季もシーズン被本塁打19はロッテ・石川と並ぶリーグワースト。与四球56も最多のソフトバンク・千賀に1差のワースト2位。もともと一発と四球が課題の投手だが、それにしても4連続四球は極端だ。「もうちょっと大胆に投げてくれればいいと思うんだけど……いいコースに投げないといけないと思っちゃうのかな」。辻監督の嘆き節は続いた。

辻監督は不安定な松本を4回限りで諦めた。球数は90に達し、2安打2奪三振5四球2失点。この時点ではわずか1点のビハインドで、先頭の1番・辰己から左打者が3人続く5回には左腕の吉川光夫を投入したが、結果的に裏目に出た。辰己に左前打、続く小深田に送りバントを決められた後、島内に右翼席へ痛恨の1号2ランを被弾。続投した6回には4安打3四球を許し1死も取れないまま降板した。

昨年オフに金銭トレードで日本ハムから移籍した吉川は結局1回0/3、7安打3四球8失点の乱調だった。左打者に対し球がインコースに来ることがほとんどなく、真ん中から外側に集まり「左対左」の優位性を生かせなかった。「投手コーチとも、もっと向かっていく気持ちを前面に出して勝負するように話したい」と辻監督。先発ローテ要員と、リリーフを含めた左腕の手薄さはチームにとって慢性的な課題。6勝2敗1分(勝率.750)で首位の西武だが、最初の踏ん張りどころを迎えたかもしれない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

© 株式会社Creative2