スーパーGT第1戦岡山で適用の『特別BoP』で、GT500のエンジンパワー競争は過酷になる可能性も

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 今週末に開催するスーパーGT第1戦岡山で適用される特別BoPは、GT500クラスにおいて戦況を大きく左右する可能性がある。

 既報のとおり、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、公式ホームページ上で4月10〜11日に開催される第1戦岡山国際サーキット『たかのこのホテル OKAYAMA GT 300km RACE』の参加条件を一般向けに公開。

 通常の参加条件に加え、タイトな岡山国際サーキットでの開催のため、安全のため特別BoPを適用することを明らかにした。GT500クラスでは、通常は95.0kg/hの燃料流量リストリクターが90.2kg/hに変更され、出力が下げられる。

 GT500クラス全車一律なので不公平はないものの、「戦いの条件」がより一層厳しくなったとみることもできる。

 GT500クラスではそれぞれの陣営が独自開発した直噴2リッター4気筒エンジンを採用。3社との共通のターボチャージャーを使用している。エンジンの寸法や重量、使用材質、インジェクターの数や燃圧などの規制があり、エンジン仕様で差をつけることができる要素は多くが排除されているものの、空燃比には規制がなく、燃焼速度向上などの手法による熱効率改善によってピークパワーを上げる余地は大きい。

 CLASS1規定制定時にターボ過給圧の最大値は規定されたものの、その数値は共通ターボチャージャーの限界値を超えており、実質的に過給圧も無制限に近い。

 逆に、同じパワーであれば、熱効率が高いエンジンは燃費が良くなり、これが決勝結果を左右することもある。GT500の3社とも熱効率改善が進んでおり、空燃比はガソリンエンジンの理想空燃比を大きく超えて、リーンバーン領域でエンジンを運用。現在採用しているターボチャージャーの能力の限界まで使い切っていると思われる。

 ところが、燃料流量が絞られるということは、それによって出力が絞られると同時に、ターボチャージャーの能力にも余裕が生まれる。これによって、よりリーンバーン領域を攻められる技術を持つメーカーが有利になり、エンジンパワー競争が過酷な条件になるとも考えられるのだ。

 特に1ラップだけに集中してパワーを出せばいい予選でその差は大きくなるだろう。予選一発の勝負でどの陣営が上位にくるのか、シーズンを占う上でも興味深い。場合によっては、車種ごとにグリッド位置が明確に分かれるような展開もあるかもしれない。

2021スーパーGT岡山公式テスト GT500クラスのスタート練習の様子