マエケンが今季初勝利 らしくない投球も好守に救われた

前田(ロイター=USA TODAY)

ツインズの前田健太投手(32)は敵地デトロイトでのタイガース戦に先発し、6回を1本塁打を含む7安打2失点、6三振1四球で、日本投手一番乗りとなる今季初勝利をマークした。メジャー通算150試合登板の節目を54個目の白星(36敗)で飾った。

3―2と逆転してもらって上がった6回は苦しい一日を象徴するマウンドだった。先頭カストロに右前打を許すと続くカブレラは左翼左に二塁打。前田も同点を覚悟しただろうが、中継に入った遊撃手シモンズが本塁へストライク返球。一塁走者は間一髪でタッチアウトだ。

しかし、悪い流れは続く。4番カンデラリオを歩かせ、5番マザラの右前打で一死満塁の大ピンチ。6番スクープが右中間へややさ浅めの飛球。右翼手ガーリックがこれまた好返球で三塁走者カブレラを本塁手前でアウトにし、無失点で切り抜けた。

立ち上がりから“らしさ”がなかった。初回は先頭グロスマンを3球で空振り三振に仕留めたものの、2番カストロに初球を右前打、3番カブレラは初球を右飛、4番カンデラリオは2球目を投ゴロと7球で終えたが、捉えられた打球だった。

2回は一死後、スクープにフルカウントからの7球目、甘く入ったスライダーを痛烈なゴロで三遊間を破られ、続く売り出し中の新人バドゥにカウント2―2からチェンジアップをうまくすくわれ右中間に三塁打され、1点を先制された。さらに四球を与えて一死一、三塁としたが、9番レイエスの強烈なピッチャー返しを鮮やかに捕球すると三塁へ送り、併殺とした。

3回、4回は三者凡退としたものの、同点に追い付いてもらった5回は一死後、ラモスにスライダーを捉えられ、勝ち越し弾を左翼席に運ばれた。スライダー、チェンジアップにいつものキレはなく、高めに抜ける明らかなボールが珍しく目立った。

苦しみながら試合をつくり、味方の好守に助けられてつかんだ今季初白星。次回登板ではきっちり修正し、相手打線を圧倒する。

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