西海市長選11日告示 コロナ禍 静かな前哨戦

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支持拡大にしのぎを削る(右から)杉澤氏、岩本氏、田崎氏=西海市内(右から立候補表明順)

 任期満了に伴う西海市長選と市議選の告示が11日に迫った。市長選は現職で再選を目指す杉澤泰彦氏(68)に前市議の岩本利雄氏(78)、市議の田崎耕太氏(38)の2新人が挑む三つどもえの公算が大きい。新型コロナ「第4波」への警戒が高まる中、各陣営とも告示前の決起集会などを自粛。市民からは「4年前と比べ盛り上がりに欠ける」との声も上がり、静かな前哨戦となっている。
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 「西海市は戦いが好き」。2月、杉澤氏の事務所開き。三つどもえの構図に、ある国会議員がげきを飛ばした。県議、市議、初代市長の山下純一郎氏も出席。組織戦を印象づけた。
 市内5町で人口が最も少ない崎戸町出身の杉澤氏は前回、人口最多の西彼町から3選を目指した2代目市長、田中隆一氏を制した。今回は立候補を予定する3人の中で最も早く昨年9月に出馬表明。「次の4年で(1期目の)成果を確認」と継続を強調。重点政策として、松島火力発電所(大瀬戸町)の高効率化などを柱に「脱炭素社会のモデル地区づくり」を掲げる。
 公務の合間に地域を訪ね、後援会は西海、大瀬戸、西彼に事務所を構え組織固めを急ぐ。だが、新型コロナで地域行事はストップ。「市民との対話が減った」と戸惑い、陣営幹部も「油断は禁物」と引き締めを図る。
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 「このままだと西海市には未来はありません」
 3月、西海町出身の岩本氏の事務所開きには県議や市議らが出席。人口減に歯止めをかけると気勢を上げた。
 造船所勤務を経て1999年に旧大島町議に初当選。市議4期目の昨年12月に辞職した。出馬動機は前市長時代の2017年3月、市が「60年に人口3万人」と強気の目標を掲げ策定した第2次市総合計画について、「現職は目標に挑戦していない」(岩本氏)と痛感したから。市の人口は3月末で約2万6800人。計画策定時から約2千人減少している。
 11月の記者会見で示した「ミニ集会」は新型コロナで思うように開けず、野外でグラウンドゴルフなどを楽しむ高齢者や、地域の寄り合いを訪れ「子や孫のために、今ではなく未来を考えて」と対話。草の根活動で支持拡大を図っている。
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 「西海市を大胆に、かつ抜本的に改造していく。もはや地方創生という言葉では弱い」
 3月、田崎氏は国道沿いに立ち、「変化」を訴えた。新庁舎の建設とにぎわいの核づくり-など3点を政策の柱に据える。
 西彼町出身の田崎氏は高校講師を経て11年、県議選に立候補。13年に市議に初当選し2期目。議会活動の傍ら、連日のつじ立ちや、徒歩によるローラー作戦を展開してきた。コロナ対策として随行者は伴わず、事務所開きや総決起集会も自粛。告示日の出陣式も聴衆が車に乗ったままの「ドライブイン形式」にする。
 議員辞職はせず、市長選立候補に伴い、自動失職となる見込みで“短期決戦”は否めない。草の根スタイルで支持を広げる構えで「応援したい人が事務所に集まってくれる」(田崎氏)という勝手連の動きにも期待する。
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 西海市では成人式が中止になるなど大規模集会がほぼなく、有権者の動向が見えづらい状況。選挙戦では、積み上げた見識と若い視点、組織と草の根、旧5町の地元意識などの対立軸が絡む中、人口減や地域医療、子育て、市庁舎の在り方などが争点となりそうだ。
 市議選には今のところ定数18に対し、19人(現職13、元職1、新人5)が立候補を予定している。