林家木久扇 笑点55周年に感慨も…落語界の危機告白「お客さん8人。出演者が23人」

元気な林家木久扇

5月で放送開始55年を迎える国民的娯楽番組「笑点」(日本テレビ系)の魅力を紹介する展覧会が8日、東京・新宿高島屋で始まり、最年長の林家木久扇(83)が開会式でくす玉を割った。

笑点初出演は1967年で、69年にメンバー入り。その笑点より長い、芸能生活60年の木久扇は「夢のよう。ついこないだ入ったばっかりで、まばたきしてたら55年経っていた」と感慨深げだ。

番組スタッフとは「100(周)年までやろうか」と言っていて、一緒に「跡継ぎがどうやって育ってくれるのかな」と期待しているそう。

「100年経ったら今のメンバーみんな死んじゃうんですよね。(林家)三平師匠だって、90いくつになっちゃいますからね」

心配なのは落語ファンが減っていることで、こんな窮状を訴えた。

「寄席なんかでも、こないだの日曜日、浅草の演芸場にお客さん8人だったんです。で、出演者が23人。割ると、1人がもらえるのが600円なんですよね。往復地下鉄使って、天丼かなんか食べて帰ったら赤字なんですね」

そんな時代だが「いつもやってるってことはとっても大事なんですよ。笑点も、引き継いでいくことが大事だと思いますね」と木久扇は言う。

笑点は海外でも放送されている。木久扇は、ワシントンやロンドンの老人、フランスの日本人小学生からファンレターをもらうそうで「この火は消しちゃいけない」と強く思っている。

この「笑点放送55周年特別記念展」は27日までで、入場無料。

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