天草四郎が“歴史ガイド” 島原城『最先端デジタルMR』駆使

3D映像の天草四郎(島原観光ビューロー提供)

 島原城(長崎県島原市)など観光施設を運営する島原観光ビューローは10日、最先端のデジタル技術「ミクスト・リアリティー(MR、複合現実)」を駆使した機器を使い、立体的なホログラム(3D映像)で再現した天草四郎が、同城天守閣を先導しながらキリスト教の伝来や島原・天草一揆(島原の乱)を紹介するサービスを始める。「城郭内の常設MRコンテンツは国内初。新たな客層開拓につなげ、島原観光に来てほしい」とPRする。
 MRは、現実とバーチャルな空間を融合させ、3Dの仮想物体を実物のように見たり操作したりできる世界を生み出す技術。小型ディスプレー機器「ホロレンズ」を頭に装着すると、赤外線カメラが頭の位置や動きを計測し、CGなど仮想映像を全方位表示する。
 同社が昨年4月ごろ、MRシステムの開発などを手掛けるMuuMu(長崎市)に依頼。県の補助金で、歴史体験コンテンツ「Son of God 天草四郎~島原城に舞い降りた奇跡~」を開発した。
 レンズを通して目の前に見えるオリジナルデザインの天草四郎の声優は、数々の人気アニメに出演する石田彰さんが担当。1階キリシタン史料フロアを巡りながら、南蛮文化やキリスト教の繁栄、禁教令、島原の乱の順に歴史を語る。踏み絵やロザリオなどの3D映像に触れたり手に取ったりする体験も楽しめる。
 一度に最大4人まで体験可能で約30分。利用対象者は中学生以上。料金は2200円(別途入館料が必要)。

MR機器を装着し3D映像に触れるなど複合現実を体験する人=島原城天守閣

© 株式会社長崎新聞社