【新型コロナ】政府分科会、「入院率」「歓楽街の夜間滞留人口」などを指標に追加

 8日に開催された政府の新型コロナ対策本部分科会で、感染拡大を抑えるためのモニタリングの指標を新たに追加することが提案され了承された。新たに感染者の「入院率」を感染状況のステージ判断の基準に加えるほか、「歓楽街における夜間滞留人口」などを感染拡大の端緒を見極める新たな指標として導入する。

ステージ3、4の判断指標を追加

 この日の分科会では、全国的な第4波の波及を防ぐため、新たな指標の追加について議論が行われた。感染状況を類型化している「ステージIII」「ステージIV」の指標として、新たに感染者がどれだけ入院できているかを示す「入院率」が新設された。第3波の際、各地で入院すべき状態の患者が自宅待機を強いられる例が相次いだことを受けたもので、医療提供体制のひっ迫度をより緻密に見極める基準となる。またより早期の対策強化をはかるきっかけとするため、病床使用率における「ステージIII」の基準を25%から20%に引き下げた。

 また感染拡大の端緒をより早期に掴むため、ステージの判断指標とは別に「年齢階層別新規陽性者数」「PCR検査陽性率」「感染拡大の速度」「歓楽街の夜間滞留人口」などを新たに導入し各自治体がモニタリングするよう求めた。これは急激に感染拡大する前に、若年世代の感染者数や、いわゆる「夜の街」への人出が多くなる事象がこれまでもみられたことを踏まえたもの。

 分科会は国や都道府県が今後とるべき対策として、今回提言した指標を機動的に活用しながら、飲食店の時短営業要請だけではない政策パッケージの実施、感染拡大の蓋然性が高い場合には国がリーダーシップをとることなどを求めた。

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