神奈川・大和 ツバメ調査に子どもの目 環境学習の一環に参加呼び掛け

今シーズンも3月上旬に飛来し、営巣中のツバメ=大和市の小田急線高座渋谷駅

 大和市は2021年度、「ツバメ情報調査」の調査態勢を見直し、市内の小中学生に担ってもらう。環境問題に関心を持ってもらうとともに、飛来地周辺の学校が継続して定点観察することで調査の精度を高める狙いもある。

 市によると、ツバメは近年、餌場となる水田が減少し、巣作りに適した家屋も減るなどして飛来数は減少傾向にある。身近な自然への関心を高めることを目的に市民参加型の環境調査事業として14年度にスタートした。

 20年度はコロナ禍で中止になったが、19年度の調査では市内のスーパーなど四つの巣で16羽のヒナの巣立ちを確認するにとどまった。18年度の18巣と65羽に比べて大幅に減少しており、調査件数の少なさや人為的に巣が破壊されたことが要因とも指摘された。

 そこで今回、調査態勢を見直し、環境学習の一環として小中学生に参加を呼び掛けた。飛来・営巣・産卵・子育て・巣立ちと3月から7月まで観察し、時期や場所、数をそれぞれ記録して提出してもらうという。

 市環境総務課は「地球温暖化の影響でツバメの飛来は早まっているとも言われている。多くの学校にエントリーしてもらい、環境保全の大切さについて理解を深めるきっかけにしてほしい」と話している。

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