やっぱり九州人は鶏がお好き? もつ鍋VS水炊き「福岡の鍋決定戦」を制したのは...

©株式会社ジェイ・キャスト

もつ鍋といえば、牛や豚のモツ(ホルモン)をメインに使った鍋料理で、福岡の郷土料理でもある。

同様に、福岡・博多をルーツとする鍋料理に、水炊きがある。博多の水炊きは、鶏でだしをとったスープに、白菜やキャベツ、豆腐など他の具材を入れて食べる。

では、「福岡の鍋料理」というと、どちらをイメージする人が多いのだろうか?

Jタウンネットでは2020年11月18日~2021年4月5日の期間、「福岡の鍋料理といえば、もつ鍋?水炊き?」をテーマにアンケート調査を行った。

投票総数は、909票。はたして結果は――。

福岡からの投票は「水炊き」優勢だが...

選択肢として用意したのは「もつ鍋」「水炊き」「その他」の3つ。

まず、全国の結果から見てみよう。

もつ鍋と回答した人は全体の50.8%(462票)で、水炊きと回答した人は45.9%(417票)。

僅差ではあるが、もつ鍋がやや優勢である。

では、地域別に見るとどうだろう。各都道府県でより多くの票を集めた選択肢に基づいて日本地図を塗分けると、こんな結果になった。(和歌山、徳島、高知の3県からは投票がなかったため無着色)

モツ鍋は23地域で、水炊きは17地域で優勢に。青森、栃木、山梨、福井の4県ではもつ鍋派と水炊き派が50%ずつで引き分けた。

ぱっと見、西にいくほど、水炊き派が優勢な地域が増えていく印象だ。

中でも、特にもつ鍋派が目立ったのが、新潟、鹿児島、沖縄である。

全国のもつ鍋派が50.8%なのに対し、新潟で「もつ鍋」と答えた人は、85.7%と高い割合だ。沖縄も80.0%、鹿児島にいたっては、なんと100%という結果。

一方、水炊き派の割合が特に高い地域としては、福島(75.0%)、滋賀(88.9%)、佐賀(75.0%)、宮崎(80.0%)が挙げられる。

水炊きは鶏肉をメインの材料として使うため、鶏肉の特産地である宮崎で推されるのも納得だ。

鶏肉の消費量が多い九州全体では、水炊き派の割合が58.4%と、全国平均よりかなり高め。

さて、最も気になるのが地元・福岡での結果。詳しい割合を見てみると、58.1%が「水炊き」、32.6%がもつ鍋、9.3%がその他だった。

福岡市が運営する画像検索サイト「まるごと福岡・博多」内の水炊きに関するコラムには、

「福岡・博多で鍋というと、若者は『もつ鍋』を思い浮かべ、博多に長く暮らしている者は『水炊き』を思い出すことでしょう」

という記述がある。その根拠までは述べられていないものの、思い当たる人もいるのでは。

今度は年齢層ごとに調査してみても、おもしろい結果が得られるかもしれない。

また、同サイトで「鍋物」を検索するとモツ鍋と水炊きの他に、高級魚「クエ」(福岡では「アラ」と呼ばれる)をメインに使った「アラ鍋」が紹介されていた。

水炊きは「昔ながらの日本料理」ではない?

ところで、もつ鍋と水炊き、それぞれの起源をご存じだろうか。

僅差で勝った「もつ鍋」 写真提供:福岡市

福岡のもつ鍋専門店「もつ鍋 こうづき」の公式サイトには、以下のような説明がある。

「もつ鍋のルーツとしては、第二次世界大戦後まで遡りますが、当時、炭鉱夫として働いていた朝鮮の人々がアルミ鍋でホルモンとニラを炊いて醤油味で食べていたのがルーツと言われています(中略)

ホルモンは、関西弁で『放るもん』、つまり『捨てるもの』というところから来ています。そのため、元来、ホルモンは食材には使えず、戦後の食糧難で食べるものがなかったため、食べられたものと推測できます」

一方、昔ながらの日本料理だと思っている人が多そうな水炊きは、実は中国と西洋の料理をヒントに考案されたらしい。

わずかに及ばなかった「水炊き」 写真提供:福岡市

「まるごと福岡・博多」内のコラムには、

「水炊きの老舗『水月(すいげつ)』(現在、福岡市中央区平尾3丁目に本店あり)の創始者・林田平三郎さんが考案した食べ物といわれています。長崎に生まれた林田平三郎は15歳で香港に渡り、英国人の家庭に住み込んで洋食の勉強をしたとか。

帰国後、そこで習得した西洋料理のコンソメと中国料理の鶏の水煮をあっさりしたスープ仕立てにして、季節の野菜やうどん、餅、最後は雑炊にまで広げて日本の味にしてしまったのです。これを1905(明治38)年、福岡に持ち込んで『水月』の看板を上げたのが始まりだといわれます」

と、興味深いルーツが書かれていた。

(4月9日11時18分追記:記事初出時、本文中の表記に一部誤りがありましたので、修正しました。)