楽天・田中将抜きでもローテ万全 そのスキに中継ぎ育成もくろむ石井監督の“したたか”さ

早くも貯金6を作った楽天・石井監督

楽天は8日の西武戦(メットライフ)に4―0と勝利し、今季初の3連勝。すでに決まっている開幕4カード連続勝ち越しとともに、今季成績を9勝3敗とした。

先発・滝中が7回1安打無失点の好投で初勝利。打っても茂木、辰己の効果的な2発で西武の敵地で3連勝をもぎ取った。これに石井監督は「(チームに)力がついているかは正直分からない。それよりも選手個々がしっかりやるべきことをやってくれている結果。ウチはシーズンを通して力をつけて、一致団結していくチームだと思っているので」と謙遜しながらも、現状に手応えを感じている。

6番手・滝中の勝利で離脱中の田中将以外の開幕ローテーション投手全員に白星がついた。
また、開幕からの全12試合で先発投手に勝ち負けがついている楽天。これについて石井監督は「ウチはそういうチーム。先発が中心になってディフェンスをしていくチーム。先発に勝ち負けがついてほしいというのがあって、その後に中継ぎ投手のホールドが付くことが大事」としながら、目指す優勝への青写真と課題についてこうも語っている。

「今の状況で先発が仕事をしてくれているように(シーズン)中盤から後半にかけてリリーフというところでもう1人、2人、しっかり後ろを任せられるピッチャーを作っていきたいというのが、今のウチのテーマです」

田中将を欠きながら、ここまで12試合で計8度のクオリティ・スタート(QS=6回以上を自責点3以内)をマークする盤石の先発ローテーションを強みに、狙い通り首位を快走。しかし、自らの経験から疲れの出て来る夏場以降、思うようにイニングを食えなくなる先発陣に代わってブルペンの負担はどうしても増えてくるもの。

その状況を今から想定する指揮官は、先発陣に余力がある序盤から勝負どころの後半戦に備えた松井、酒井、牧田に加わる方程式を構築していきたいというしたたかなVプランを温めている。

抜かりのない、その戦略と投打の噛み合った現場の好調さで楽天がマイペースの逃げを打とうとしている。

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