藤沢市が五輪に向け紙芝居動画を配信 前回東京大会がテーマ

「人間愛の金メダル」のワンシーン

 藤沢市は、1964年に藤沢市江の島で行われた東京五輪ヨット競技を舞台に順位争いを超えたスポーツマンシップを描いた紙芝居「人間愛の金メダル」を動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で配信している。今夏の東京五輪・パラリンピックの機運を醸成するオンライン企画の一環。

 紙芝居は、2019年3月に開かれた「アイデアソン(企画発案ワークショップ)」に参加した横浜紙芝居普及会代表の山下康さんと大学生グループが制作、上演をはじめ、動画の撮影・編集を行った。

 山下さんの名調子で幕を開ける物語は、悪天候の下、荒波の中で行われたヨット競技。順調に帆を進めていたスウェーデン代表のキエル兄弟が、突風で艇から海へ投げ出されたオーストラリア選手を発見し、180度旋回し救出するストーリー。競技の金メダルよりも人命を尊重したフェアプレー精神が感動を呼んだ実話を再現した。

 終幕で山下さんは今回の東京五輪で再び江の島でセーリング競技が行われることに言及。「順位争いの影に隠れた人間愛の金メダルを多くの人が手にできますように」と締めくくっている。

 オンライン企画では東京五輪応援ソングなどの合唱動画も配信しており、市東京五輪・パラリンピック開催準備室のホームページから見られる。

© 株式会社神奈川新聞社