元ERC王者クリス・イングラムがWRC3昇格で6戦出場へ。ルカヤナクやコペツキーも始動

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 2019年のERCヨーロッパ・ラリー選手権チャンピオンであるクリス・イングラムが、4月22~25日の週末から始まる2021年のWRC世界ラリー選手権第3戦クロアチア・ラウンドより、SXMコンペティション・チームのシュコダ・ファビア・ラリー2エボをドライブし、WRC3カテゴリーの6戦に出場することが決定した。チームとの2年契約締結に際し、ERCコーディネーターを務めるジャン- バティスト・レイは「我々のチャンピオンにとって素晴らしい機会で、彼にはその価値がある」と、喜びの言葉を語った。

 また、2020年に自身2度目のタイトル獲得を果たした“ロシアン・ロケット”ことアレクセイ・ルカヤナクや、チェコ共和国が輩出した“ターマック・マイスター”ヤン・コペツキーも、2021年に向け体制を固めている。

 現在26歳でイングランド出身のイングラムは、タイトル獲得シーズンとなった2年前の年間参戦バジェットを稼ぎ出すべく、シーズン後半は王座を賭けて自らクラウドファンディングを活用して活動資金を集めてきた。

 当時トク・スポーツWRTから選手権を追ったその条件とは大きく変化した状況のもと、イングラムは2021年に向けWRC3クラスの参戦プログラムをまとめることができた。

 今回、ベルギーに拠点を置くSXMコンペティション・チームからの世界戦昇格を果たすイングラムと、コドライバーのロス・ウィトックは、メインパートナーのラリー・ウォーリアーやSGファイナンシャルを含め、総計10社近い企業からの協賛を集めている。

「他の多くのドライバーと同様に、クリスは国内選手権レベルからERCチャンピオンシップ内で国際的ラリードライバーへと成長し、無事にERCを卒業することになった。2014年の参戦開始から2017年にはERC3ジュニアのタイトルを獲得し、そのわずか2年後には総合でのチャンピオンに駆け上がったんだからね」と、その才能を高く評価するユーロスポーツ・イベント所属のジャン- バティスト・レイ。

2019年後半はチャンピオンを賭けて自らクラウドファンディングを活用して活動資金を集めたクリス・イングラム
ドイツのトク・スポーツWRTが走らせるシュコダ・ファビアR5 Mk.2で見事にドライバーズチャンピオンを獲得した
“ロシアン・ロケット”ことアレクセイ・ルカヤナクのドライブする、3年目のシトロエン製モデルは、Rally2へとアップデート

■ロシアン・ロケットはERC挑戦を継続。シトロエンC3ラリー2をドライブ

「クリスがこの機会を得るのは素晴らしいニュースであり、我々は皆、彼の成功を祈っている。そしてパートナーのロス(・ウィトック)もまた、懸命に働き決して諦めなかった。ふたりはこのチャンスに値する才能であり、彼らがこの機会を最大限活用すると信じている」

 一方、2020年に自身2度目のERCチャンピオンに輝いたルカヤナクは、引き続きフランスのサンテロック・ジュニアチームからERCへの挑戦を続け、シトロエンC3ラリー2で最多記録に並ぶ3度目の総合優勝を目指してシリーズを追う計画だ。

「今年もエキサイティングな年になりそうだ。WRCで優勝戦線を争うような経験豊富な有力ドライバーたちが、数多く参戦に向け準備しているからね」と語った、ロシア・サンクトペテルブルク出身で現在40歳のルカヤナク。

「僕らとしても可能な限り競争力を高め、楽しい時間を過ごせるよう努めたい」

「それに、以前と同じように8戦のイベントが含まれるカレンダーを見ることができてうれしいよ。ラリーをスタートするのが待ちきれないね!」

 さらに、この2月には地元の実力者ノルベルト・ヘルツェグのERC起用をアナウンスしていたハンガリーのトップカーズ・ラリーチームは、新たに2013年のERC王者でWRC2タイトルも保持する英雄、ヤン・コペツキーをハンガリー選手権で走らせると発表した。

 これにより、10月22日から24日までニーレジュハーザ近郊で開催されるハンガリー選手権とERCの併催イベント、ラリー・ハンガリーでERC優先国際ステータス登録での総合優勝争いに加わる可能性も出てきている。

ハンガリー選手権に向け、“ターマック・マイスター”ことヤン・コペツキーを起用するトップカーズ・ラリーチーム
チームの声明でも「地元の英雄的存在が、我々のチームとともに国内選手権に参戦することを誇りに思う」と、歓迎の意が記された
元イタリア王者のウンベルト・スカンドーラも、ヒュンダイi20 R5でのERCフル参戦をアナウンスしている