「ITで地域課題解決」県誘致シーエーシー 長崎に研究拠点開設

カメラで顔の筋肉の動きから感情を読み取るシステムを紹介するシーエーシー社員=長崎市、長崎BizPORT

 長崎県の誘致で長崎市内に進出したIT企業シーエーシー(東京)は8日、地域の課題解決に取り組む研究拠点「HCTech AI Lab 長崎」の開設式を現地で開いた。自治体や大学、企業と連携し、自社技術を人口流出抑制や離島交通確保に役立てる。
 同社は2019年7月、同市元船町のオフィスビル、長崎BizPORT2階に「長崎センター」を設置。給与計算など人事業務を企業から受託している。一方、本社ではシステム開発・運用を手掛けており、カメラに顔を映すと心拍の状態を推定したり、感情を読み取ったりする自社技術を持つ。県内の大学や企業と交流する中で知った地域課題に対し、これらの技術で解決できないかと考えた。
 研究拠点は同ビル1階に設置。広さは32平方メートル。当面スタッフは常駐せず、自治体や企業から相談を受けると、東京本社からスタッフが出向くか、オンラインで応対する。
 開設式では西森良太社長がオンラインで「長崎の地域課題解決と地方創生にも貢献したい。長崎の皆さまがわれわれに協力し、並走していただけるから実現できる」とあいさつした。
 研究拠点の責任者、鈴木貴博取締役は取材に「何かあれば相談しようと頼りにされる場にしたい」と語った。

© 株式会社長崎新聞社