【東京五輪】不参加表明の北朝鮮を韓国が説得へ「朝鮮半島での恒久的な平和定着のため」

北朝鮮の不参加で東京五輪はどうなる

韓国側が必死に動く理由とは――。韓国大統領府は8日、今夏の東京五輪・パラリンピックへの不参加を表明した北朝鮮に考えを改めるように説得を行うと明らかにした。

北朝鮮は6日に体育省のウェブサイト「朝鮮体育」で選手を新型コロナウイルスから守るため、東京五輪には参加しないと発表した。韓国紙「中央日報」は「東京五輪を契機に北朝鮮と対話の火種を生かすという韓国政府の構想に支障が避けられなくなった」と報じ、韓国紙「東亜日報」は「東京五輪が朝鮮半島の平和と南北の和解協力を進展させる契機になることを願ったが、新型コロナウイルスの状況で思うようにいかず残念だ」との関係者コメントを紹介している。

そのため、韓国大統領府はすぐさま動いた。韓国紙「朝鮮日報」によると、大統領府は「まだ大会まで時間があることから、最大限多くの条件を整えて、参加を説得してみたいという考えを持っているのでは。北朝鮮の東京五輪不参加宣言後も北朝鮮が方向転換をする可能性に期待を見せている」といい、外交部の崔泳杉(チェ・ヨンサム)報道官は8日に「五輪は世界の平和の祭典だ。北朝鮮が参加することを期待する。朝鮮半島での恒久的な平和定着のため、関連部門と緊密に連絡を取り、関連努力を続けていく予定だ」と説明した。

韓国側としては東京五輪を通じて、北朝鮮との協議を再開するのが一つの悲願。本来五輪に政治的介入は許されないが、既に韓国側に余裕はないようだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社