【欧州リーグ】ボールボーイがアウェーチームの選手にブチギレ その後に待っていた意外な結末

ツイてなかった?カラフィオーリ㊨(ロイター)

サッカーの試合で選手同士がもめて乱闘に発展――こんなシーンはよくある話だが、8日(日本時間9日)に行われた欧州リーグ(EL)準々決勝第1戦、アヤックス(オランダ)―ローマ(イタリア)戦では、ボールボーイが選手に〝暴行〟を働くという信じられない出来事があった。

アヤックスのホーム、ヨハン・クライフ・アレナ(アムステルダム)で行われた試合は、ローマが後半42分に勝ち越しゴールを奪い、2―1となってアディショナルタイムに突入。はっきりと時間稼ぎとわかるプレーに終始し、逃げ切りを狙った。

そんな中で迎えたアディショナルタイム4分、タッチラインに出たボールを拾ったボールボーイは、スローインのために向かってきたDFリッカルド・カラフィオーリ(18)にすぐに手持ちのボールを渡した。だが、カラフィオーリはこれを捨てて、転がっていたボールを拾いに行った。このあからさまな時間稼ぎにキレたボールボーイは、至近距離からワンハンドの剛速球で返球。これがカラフィオーリのノド元付近を直撃した。

もん絶した後に立ち上がったカラフィオーリはボールボーイの行為に激高。イタリア語で文句を言ったが、なかなか収まる様子はなく、タッチライン際でもめ始めた。

これを見たロシア人のセルゲイ・カラセフ主審は2人のもとに慌てて駆け寄った。そこですかさずイエローカードを提示。だが、この対象は先に〝手を出した〟ボールボーイではなく、遅延行為を続けたカラフィオーリへのものだった。

かつて、なかなかボールを返球しないボールボーイに暴行を働いた選手が長期間の出場停止処分を受けた事例はあるが、今回は全く逆のケース。試合はローマがそのまま逃げ切って先勝したものの、カラフィオーリはボールをぶつけられたうえに警告まで受けるという踏んだり蹴ったりの試合となった。

試合後、イタリア「スカイ・スポーツ」のインタビューに答えたカラフィオーリは「彼の立ち場で時間稼ぎをしている選手を見たら、僕だってイライラしたと思う。彼の気持ちは理解できる」とコメントし、謝罪の意を示した。

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