明豊高校センバツ準優勝特集② 不完全燃焼の投手3本柱 リベンジの夏に燃える

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 第93回選抜高校野球大会で準優勝した明豊。初戦の東播磨(兵庫)戦では制球に苦しんだ投手陣だが、2回戦以降は本来の調子を戻した3年生の京本真、太田虎次朗、財原光優が試合をつくった。苦しみながらも勝ち上がり、チームをけん引した3本柱は、日本一への飽くなき欲求を隠さない。夏の全国高校野球選手権大会へ、その思いはさらに強くなる。

 2試合の先発マウンドを託された京本は「仲間に助けられた。自分の実力の半分しか出せずに終わった悔しい甲子園となった」と語り、全5試合(うち3試合先発)に登板した太田は「制球面で課題が残った。もう一度、自分の投球を見つめ直したい」、3試合で救援した財原は「日本一を取れなかった悔しさの方が大きい。自分の弱点を受け止めて、夏に向かいたい」と反省ばかりが口に出た。

 背番号1を背負った京本は、決勝で敗れた翌日の野球ノートに「この悔しさを絶対に忘れてはいけない。これからキャッチボールの一球も無駄にしたくない。昨日の自分に勝つ」と記した。

 189㌢、77㌔の長身から投げ下ろす角度のある直球は140㌔を超えるが、選抜高校野球大会では四球が多く、ボールが先行した。「納得できるピッチングはない。個々の能力をアップして、もう一度あのマウンドに立ちたい」と、夏に向けて細身の体に筋肉をまとうように肉体改造を施す。「球速にこだわりはない。7、8割で投げてもしなやかで伸びとキレのあるストレートで勝負したい」と話し、副キャプテンとしてもチームを引っ張る覚悟だ。

本来の実力を出せずに終わった京本真

 投手陣でただ一人、昨夏の甲子園交流試合を経験した太田は、「観客の入った甲子園は別物だった」と振り返る。試合を重ねるごとに場慣れし、本来の投球を取り戻した。先発を任された3試合では粘りのピッチングで簡単に得点を与えず、試合をつくった。「中継ぎでも準備はしていた。先発の方が投げやすかったが、どの場面で投げても抑えるピッチャーになって勝利に貢献したい」と、常にストライク先行で追い込み、三振を取れる理想の投球を目指す。

 選抜高校野球大会後に、3月に卒業した前キャプテンの若杉晟汰(ENEOS)から連絡があり、「体が前に突っ込み過ぎていた」「ピンチのときほど冷静に」などのアドバイスを受けたという。同じ左腕の若杉が背負ったエースナンバーへのこだわりも強い。「夏は自分が背番号1を背負う覚悟で、これからの時間を過ごしたい」と静かに闘志を燃やす。

三振を取れる投手を目指す太田虎次朗

 1回戦の東播磨戦では、制球に苦しみながらも7回から延長11回までロングリリーフで勝利に貢献した財原は「自分の実力を試せる場となった」と、続く2、3回戦でも右サイドから気迫の投球で相手打者を抑え込んだ。準々決勝以降は相手チームに左の強打者が多く、出番はなかった。「自分が左バッターに弱いのはわかっている。それをしっかり受け止めて、どんなバッターが並んでもゼロで抑えるピッチャーになりたい。京本、太田に任せきりだったので、自分が成長すれば投手陣の柱は太くなると思っている」と武器であるストレートを磨き、3本柱の一人として再出発を図る。

3番手として飛躍が期待される財原光優

(柚野真也)