長崎港 国内クルーズ船予約再開 県「運用方針」など公表

 県は9日、長崎港に寄港する国内クルーズ船の岸壁使用の予約受け付けを再開した。新型コロナウイルスなどの感染症に対応し、安全・安心に受け入れるための「運用方針」と、クルーズ船で感染症が発生した場合に関係機関が適切に対応するための「緊急時対応計画」を同日公表した。
 昨年春、長崎港に停泊中の国際クルーズ船で乗組員149人の大規模クラスター(感染者集団)が発生。県は当時の対応を検証し、県民の安全・安心が害される場合は港湾の利用を制限できるよう港湾管理条例を改正した。また、官民の関係機関でつくる連絡調整会議で、クルーズ船の感染防止対策を検討してきた。
 運用方針では、県内の新型コロナの感染状況を5段階で示すステージが「3(警戒警報)」以上になった場合、県と市町、保健所で受け入れの可否を判断。「不可」なら寄港地の変更を要請し、状況によっては使用許可を取り消す。「可」でも物資補給時以外の乗下船禁止など条件を付ける。
 長崎港における緊急時対応計画には、クルーズ事業者や県、市の役割分担、事業者の費用負担などについて明記した。
 県港湾課によると9日時点で予約は入っていないが、郵船クルーズ(横浜市)が運航する「飛鳥II」が、長崎港に5月9日に寄港する国内クルーズを予定している。国際クルーズは再開のめどは立っていない。


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