ソフトバンク7点リードから逆転許し最後は引き分け 工藤監督「負けなかったんです」

おつかれさまでした…

勝ちたかった…。ソフトバンクは10日の楽天戦(楽天生命)に8―8の引き分け。7―0から猛追を食らって6回に逆転を許したが、意地で追いついた。体力的にも精神的にもダメージの大きいドロー決着。工藤公康監督(57)は前向きに受け止めた。「負けなかったんです。僕としては負けないで引き分けたことはプラスに捉えている」。負けていれば深傷を負う試合内容だった。

一方的な展開にすら思えた。3回までに打線が奮起して大量7得点。まさに最高の滑り出しだった。開幕から2試合17四死球と不振を極めたサブマリン・高橋礼投手(25)も勇気をもらうように復調の兆しを見せて4回まで無四球、ソロ2発に抑えた。

暗転したのは5回だ。先頭に許した初めての四球から連打と自らのけん制悪送球なども絡んで3失点。5回一死で降板すると、悪い流れをリリーフ陣が断ち切れなかった。2番手・泉は無失点に抑えたが、2四死球。6回から登板の杉山は3人と対戦して2四球を与えた。この回は連投となった嘉弥真を挟んで津森を投入し、計3投手を要した。続く7回を津森が3者凡退に封じたが、2年目右腕は回またぎを強いられた。

首位・楽天は鷹にとって最大のライバル。逆転負けなら〝大惨事〟だったはずだ。5回が27分間、6回が19分間と野手陣が長い守備時間を強いられた。その直後の攻撃で中村晃が放った同点打は、尾を引きかねない〝傷口〟を最小限に食い止める一打だった。

札幌―仙台と続く6連戦の遠征はまだ負けていない。7点リードを守れず2試合連続ドロー決着はフラストレーションのたまる一戦となったが、もう終わったことだ。カード最終戦は松本の先発が予定されるブルペンデー。「明日勝っていい形で福岡に戻ることが大事」。エース・千賀の長期離脱が決まる中、流れを好転させたい。

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