中日〝あと1本欠乏症〟で痛恨ドロー 与田監督「簡単に原因が見つかるわけではない」

中日・与田監督

中日打線の〝あと1本欠乏症〟が今季も深刻だ。10日のヤクルト戦(バンテリン)で2―2と今季3度目の引き分け。打線は10安打を放ちながら13残塁と再三の好機を生かせず、奪った得点は相手失策からもらった1点を含む計2点止まりに終わった。

初回は二死一、三塁で阿部の二ゴロを山田が失策して先制の1点をもらったが、4回に先発の柳が村上から5号2ランを被弾して逆転された。

それでも6回無死二塁では阿部の中前適時打で同点に追いついたが、その後、二死満塁の好機で大島が見逃し三振に倒れた。そのほかにも2回二死一、二塁、5回二死三塁、7、8回は一死二塁と再三、得点圏に走者を置きながらチャンスを潰し続けた。

試合後、与田剛監督(55)は「やっぱりチャンスで…。ヒットが10本、相手エラー2つ、勝たなきゃいけない内容でした」と険しい表情で振り返る。

好機で〝あと1本〟が出ない要因について問われると指揮官は「簡単にそんな原因が見つかるわけではないと思うし、しっかり力をつけるしかない。それぞれ選手は戦術を持って打席に入っているはずだけど、迷いが生じたり、プレッシャーがかかったり、いろんな要因があるのでは。でも結果的にこれだけチャンスを潰すということは、僕も戦術を考えないといけない。何とか点を取れるようにしないといけませんね」と苦しい胸の内を明かした。

不振の2番・京田は初回の第1打席で右前安打で出塁し、先制のホームを踏んだが、その後、3打席連続三振。すると、8回二死一、二塁で代打・井領を送った与田監督は京田に対して「想像すると、いろいろ迷いがあるのかな。アウトの内容が悪い、リズムが取れない。何とか次の打席につながるようなものを考えないといけない。練習の取り組みはしっかりやっているけど、結果が出る取り組み方をしないといけない」と指摘した。

チームで唯一、本塁打を放っていたビシエドが8日に故障離脱し、現在は本塁打ゼロ打線。得点力不足が深刻な中で、9日の二軍戦では来日が遅れていたA・マルティネスが中越え本塁打を含む2安打、10日も2試合連続でマルチ安打と気を吐いている。

長打が魅力のA・マルティネスの緊急昇格が待たれるが、指揮官は「守備も含めて、昨日打ったから簡単に上げるということではないので。セ・リーグだから、ある程度守備もしっかりできないといけないし、そういったところも考えて。しっかり準備ができればすぐにでもとは思っている」と慎重に状態を見極めていく構えを見せる。

とはいえ、これで開幕2戦目からチーム本塁打は12試合連続でなしとなり、球団では実に59年ぶり。球団ワースト記録は1956年の13試合連続とあって不名誉記録にあと1試合とリーチがかかってしまった。竜党がスカッとするような本塁打と会心の勝利が見られるのはいつになるのか。

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