東京五輪代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権最終日は10日、五輪会場の東京アクアティクスセンターで行われ、女子50メートル自由形決勝で五十嵐千尋(T&G、日大藤沢高出身)は25秒07で3位、山根優衣(セントラルスポーツ、湘南工大付高出身)は25秒29で4位となった。白血病から復調してリレー2種目で代表入りを決めている池江璃花子(ルネサンス)が24秒84で優勝。派遣標準記録には届かなかったが、非五輪種目の50メートルバタフライと合わせて今大会4冠を達成した。
非五輪種目ではこのほか、女子50メートル平泳ぎの高崎有紀(日清食品、湘南高出身)が31秒38で4位、日大藤沢高1年の高橋陽向(サギヌマSC鷺沼)が31秒69で7位だった。
◆困難乗り越え「感謝」
女子50メートル自由形の五十嵐は3位。自己ベストに0秒08届かなかったが、100メートルと200メートルを合わせた全3種目で表彰台に上がり、選考会を締めくくった。
400、800メートルのリレーで五輪代表入りし、2大会連続出場となる。「最低限の目標はクリアできた」としながらも、「目標は個人での派遣だったので悔しい部分もありつつ、今のこの状態だとまだまだというのを感じた」と振り返った。
開催延期を受けて現役を退いたり、調整不足で今大会にピークを合わせられず敗退したり、多くのスイマーが困難に直面したこの1年。五十嵐は「コーチや家族、会社の方が変わらず応援してくれたからこそ、ここまで来られた。全ての皆さんに感謝したい」と語った。
自由形のエース池江の復活も、代表チームにとって明るい材料だ。「池江選手が戻ってきたので、リレーも最高のパフォーマンスができるようにしたい。4継(400メートルリレー)ではメダルを狙える位置まで持っていきたい」と、開幕まで100日余りに迫る本番を見据えた。