身の丈以上の生活から消費主義の逆行者へ、変化するZ世代の消費の価値と力―中国

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二次元(アニメ・漫画・ゲームなどを総じたジャンル)経済、フォロワー経済、中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品「国潮」ブームなど、以前はマニアックだった文化消費が近年、多くの人の視野に入るようになり、その消費の中心層である「Z世代(1995年代後半から2009年生まれの世代)」に対する関心もますます高まっている。光明日報が伝えた。
「ネット原住民」である「Z世代」は、経済のグローバル化やデジタル化、社会発展などがもたらした複合的ボーナスを享受し、視野が広く、自己意識が非常に強い。
消費傾向:グループを強調し、個性にこだわり、自分らしさを追求
武漢大学に通う李小陽さんは、文化クリエイティブグッズマニアで、友人へのプレゼントを購入する時は、各博物館が販売している文化クリエイティブグッズを選ぶことが多いという。「買う時は、その性能だけでなく、その背後にある物語により注目する。だから、有名ブランドなどとのコラボ商品やブランドストーリーのある商品が好き」と李さん。
そして、「Z世代は、『知識を買いたい』という思いが非常に強く、かなり多くの人がインターネットを通してより多くの学習リソースを入手したり、ハイクオリティの有料コンテンツを利用したり、提供者にチップを支払ったりしている」との見方を示す。
中国伝媒大学文化産業管理学院党総支の朱敏(ジュウ・ミン)副書記は、「『Z世代』は、精神や価値、品質が多く含まれる文化消費を強く追求し、その消費は個性的で、シーンにこだわり、植え付けられた購買意欲が強く、自分の価値を高めることに特にこだわっている」と分析する。
理工学部の博士課程卒業生の胡春青(フー・チュンチン)さんは実家のある山東省曹県で起業した当初は主にステージショーの衣装を製作、販売しており、利益率が低かった。2019年に、漢服ブームが生じると、そこに商機を見いだし、漢服メーカーを立ち上げた。「客の大部分は中国各地の学生で、年齢は14歳から25歳まで」という。現在、同県の漢服や、その川上・川下の関連企業が2000社以上あり、2019年にはECにおける漢服の売上高が19億元(1元は約16.8円)に迫り、中国の漢服三大生産拠点の一つとなっている。
新元智庫の創始者・劉徳良(リウ・ダーリアン)さんは、「漢服は文化・観光市場の『標準装備』となっており、若者が文化ルーツを探す重要なスタイルの一つとなっている」という現象に注目し、「中国国産の漫画やドラマが人気となるにつれて、『国潮』が少しずつ『Z世代』の文化消費の新たなトレンド」となっていると分析している。
朱副書記は、「若者の消費は、『特定のグループ』を強調し、帰属感を重視している。キーオピオニオンリーダー(Kol)の特定のグループに対する影響は非常に大きい」と説明する。
BNDataが発表した「2020『Z世代』消費態度洞察報告」は、「健康志向」、「顔面偏差値主義」、「多彩な趣味」、「業界の枠をこえた『国潮』」などのキーワードで、「Z世代」のユーザーのイメージを描き出し、若者の多面性を備えた消費を分析している。
北京師範大学文化創新・伝播研究院の楊越明(ヤン・ユエミン)副院長は、若者の消費ニーズについて、▽文化的付加価値▽クリエイティブ的付加価値▽心理的付加価値――の3点を挙げる。そして、「各種文化的製品は美しさを追求する中で生まれ、急速に発展している。それは、若者の素晴らしい生活に対するあこがれを反映している」と分析する。
消費の傾向は「身の丈以上の生活」から「消費主義の逆行者」へ変化
浙江省寧波市で暮らす徐寧(シュー・ニン)さん(仮名、23)は、ストレス解消に、ネットショッピングをするのが大好きだ。収納棚にはたくさんの日用品がすでにストックされているものの、ショッピングの誘惑に負けてしまうという。
「消費者金融を2~3年使っていたけど、最近やめた。収入が安定しない時、返済が追い付かなくなり、悪循環となってしまったから」と徐さん。
若者が、学生ローンを利用し、身の丈以上の生活を送るという現象について、首都経済貿易大学金融学院の尹志超(イン・ジーチャオ)院長は、「若者の消費欲は旺盛だが、予算の制約を受けている。運営の状態が良好な金融市場なら、消費者金融を通じて、将来の収入を見越して先に使い、目先の消費水準を向上させることができる。しかし、多くの学生ローンは、名前を変えた高利貸しというのが真の姿。警戒心を高め、その本質を見極めなければならない」と指摘する。
コミュニティサイト・豆瓣のあるユーザーは、「過剰消費や学生ローンの利用が原因で、深刻な問題を抱える一部の大学生を見て、本当に驚いている。理性的に消費しなければと自分に言い聞かせていても、多くの若者は、自分が購入している商品の数は必要な量よりはるかに多いことに気づいている」と書き込んでいる。
徐さんは、「断捨離」や「ミニマリズム」などのライフスタイルに出会い、自分の消費行動を見直すようになった。そして、「こだわりのある生活をしようとして、消費が収入を超えてしまえば、いつの間にか消費主義の罠にはまってしまう」と話す。
尹院長は、「消費主義に対する警戒や反省は、若者の消費や社会に対する認識が向上していることを示している。経済発展というのはやはり、人間の全ての消費ニーズを満たすためのものではなく、合理的なニーズを満たすためのものだ」との見方を示す。
消費のポテンシャルが少しずつトレンドを牽引
近年、小都市に住む若者のミュージックフェスティバルの収入に対する寄与率は60%、ライブハウスの収入に対する寄与率は94%に達している。小都市に住む若者の多くが、さらに多様化した文化消費スタイルを選択するようになっていることが見て取れる。
「Z世代」の文化消費のトレンドは、より多くの人に影響を及ぼしつつあり、ブラインドボックスや中国テイスト、オンラインバラエティー、オフライン演出などの分野においても、若者を通して他の年齢層の消費者へ影響を与えている。新型コロナウイルス感染拡大期間中、最も注目を集め、社会現象さえ巻き起こしたオンラインバラエティー「脱口秀大会(ROCK & ROAST)3」やオーディション番組「乘風破浪的姐姐」などは、もともと特定のグループの間で人気となり、その後、多くの人の間で人気を博するようになった番組だ。各種トレンド文化を熟知しているある中年の女性は、「若者と一緒にこのような番組を見ると、親子関係を改善するのに役立つ」と話す。
朱副書記は、「現在、最も重要なのは、『Z世代』が牽引する消費のトレンドを、中国国内の大循環を主体とし、国内と国際的な2つの循環『双循環』を相互に促進する新たな発展構造の中に組み入れることだ。消費のポテンシャルを掘り起こすと、内需を刺激し、経済の質の高い発展をサポートできるだけでなく、ハイクオリティの文化的製品の世界進出を推進することができる。これこそが、『Z世代』の文化消費の価値と力だ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)