目覚めの1号!巨人・岡本和に〝脱・乙女〟の意外な変化

目覚めの一発を放った巨人・岡本和

ついに昨季2冠王のお目覚めだ。巨人・岡本和真内野手(24)が11日の広島戦(マツダ)で、今季1号となる先制&決勝2ランをかっ飛ばした。チームも主砲の一発で停滞ムードが一掃され、9―0の快勝で連敗を止めた。開幕から56打席目でのシーズン初本塁打は岡本和にとっては〝最遅〟だが、4番としての自覚を深める一方で、その内面では意外な変化も起きている。

難産の一発だった。初回二死一塁から相手先発・野村の直球をバックスクリーン右へ。開幕15試合目にして、ようやくアーチをかけた。

主砲が打てば、やはりチームにも勢いが出る。12試合連続で3得点以下と湿りまくっていた打線はウソのように息を吹き返し、代走の切り札・増田大にもプロ初本塁打が飛び出すなど12安打の猛攻。先発の今村は自身2度目の完封勝利を飾り、巨人は勝率を5割に戻した。

誰よりも胸をなで下ろしたのは岡本和だろう。試合前の時点で打率は1割8分まで落ち込み、打線全体にブレーキもかかった。「初回になかなか点を取れていなかった。それは僕が止めていた分があったので、何とか今日は結果が出て良かったです。何とかしたいなと思っていました」と実感を込めた。

何かと主砲をケアしてきた元木ヘッドコーチも「4番の自覚が出てきたんじゃない? 打てない時もイライラしていたと思うし。今日打ってくれてホッとしているよ」と安堵の表情だ。

さらなる大暴れが期待される岡本和は、元木ヘッドが指摘した「4番の自覚」だけでなく別の変化も起きている。それが〝脱・乙女〟だ。

年々、肉体を巨大化させてきた主砲は体重についての質問を向けられることもしばしばあった。昨季までは何かが恥ずかしかったのか(?)、基本的な答えは「ヒミツです」「ナイショです」といった具合…。首脳陣から「女子か!」とツッコミを入れられたこともあった。

ところが今年はひと味違う。春季キャンプ初日の2月1日には「108キロはないですかね。106キロとか107キロとか、そのへん」とケロリだった。これにチーム関係者は「体重が何キロだとか、周囲に『太った』とか言われるのが嫌だとか、そういう小さいことが気にならなくなったのでは。そんなことより、自分には4番としてやるべきことがあるということだと思う」と分析していた。

主砲の一発から攻守がかみ合った快勝劇には、原監督も「今日はもう先制、中押し、ダメ押しという形で、ピッチャーも見事ですね」と満足げ。岡本和はこの日の豪快弾をキッカケに量産態勢に入れるか――。

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