〈新型コロナ〉21日からワクチン接種 5月中旬から集団や医療機関で 上越市

 新型コロナウイルスワクチン接種について、上越市は21日から、65歳以上(令和3年度)の高齢者を対象に始める。最初は介護保険施設入所者および施設従事者向け、5月中旬から集団や医療機関での個別接種を行う。接種券や予診票などを対象者6万2000人に発送した。受け取った市民からの受け付けや問い合わせの電話が相次いでいる。

 市の説明によると、対象のうち接種者を約7割と見込み、内訳は介護施設などでの集団接種5000人、市内8会場での集団接種2万人、医療機関での個別接種1万8400人。接種は3~4週間の間隔を空けて2回、同じ場所で受ける。ワクチン接種を希望しない人、かかりつけ医等の医療機関での接種を希望する人を把握した上で集団接種を受ける人の人数を決定し、ワクチンの手配や接種会場の割り振りを行う。

 集団接種は5月中旬から7月上旬までの土日、祝日に実施。会場は高田城址公園オーレンプラザ、上越地域医療センター病院、上越総合病院、ホテルハイマート、ユートピアくびき希望館、柿崎コミュニティプラザ、板倉農業者トレーニングセンター、浦川原体育館の八つ。各会場1日800~1000人ほどの接種を予定している。

◇接種日時を順次発送

 市新型コロナウイルスワクチン接種事務室によると、ワクチンはファイザー社製、今月12日からの週と19日からの週で、計975回分が届く予定。介護施設での接種に充てられる。その後、順次入る情報が分かり次第、接種の日程を固めていく考え。集団接種は町内会ごとに日時、会場を分け、今月下旬から5月上旬までに対象者に日時の案内を発送するとしている。

 現時点でワクチンがいつ、どれぐらい入ってくるか分からないため、集団でも、医療機関でも、個々の接種の日程が明確になっていない。市民から「いつになるのか」との問い合わせも多くなっている。

上越市は9日からコールセンターの体制を強化。既存の10人体制に、新たに8人を追加し、対応に当たっている(9日午後3時ごろ)

 ワクチンは超低温冷凍庫で保管し、各医療機関や集団接種会場に配送される。超低温冷凍庫は上越地域医療センター病院をはじめ市内五つの総合病院に計5台置かれ、国からの連絡では6月末までに15台が配置されるという。各医療機関は冷蔵庫で保管。超低温冷凍庫から出して5日間は持つという。各機関に接種の手引き、マニュアルが示されている。

◇発症予防に期待大 重い副反応「ほとんどない」 県が相談センター

 市町村が主体になって行う新型コロナウイルスワクチンの一般向け接種開始を控え、その役割や効果に関心が高まっている。県は2日、「県新型コロナワクチン医療健康相談センター」(電025・385・7762)を設置し、安全性や副反応など医学的知見が必要になる専門的な相談に対応している。

 県の同感染症対策本部会議で示された資料(齋藤玲子・新潟大大学院医歯学総合研究科教授作成、1月18日現在)によると、ワクチンは「極めて安全」。有効性は95%と、発症と重症化を防ぐのに高い効果が期待される。

 米国や日本での厳重な治験・審査を行っており、ほとんどの副反応は接種部位の痛み、発熱、疲労感など軽度なもの。それも1、2日で消える場合がほとんどという。

 じんましんに伴う息苦しさなど、強い反応(アナフィラキシー)が起こることは非常にまれ。起こったとしても対処方法が確立されており、治療薬も存在している。万一の際にすぐ対処する体制整備も進んでいるという。

 県新型コロナワクチン医療健康相談センターは午前8時30分から午後6時まで、土日祝日も受け付ける。接種場所や接種券など住民接種に関わる一般的な相談、問い合わせには市町村が対応する。

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