神奈川・秦野 小中学校唯一の土俵を改修、伊勢ケ浜部屋も協力

大相撲伊勢ケ浜部屋の呼出が土を固めていく様子を見学する児童たち=秦野市柳川の市立上小学校

 秦野市の小中学校で唯一土俵がある同市柳川の市立上(かみ)小学校で12日、土俵の改修工事が行われた。

 出雲大社相模分祠(同市平沢)とゆかりの深い大相撲伊勢ケ浜部屋の呼出や住民らが協力して劣化した部分を修復した。同小では5月に児童で競う相撲大会が行われる予定で、改修工事の見学に訪れた児童は大会を心待ちにしていた。

 市は1982年、児童の健全な体づくりを目的に市内の全小中学校に土俵を設置した。しかし、管理の難しさから次々と姿を消し、現在は同校のみ。中村克己校長は「児童の相撲大会が地域の伝統となり、PTAや地元住民らが協力して修繕してきたから残ったのではないか」と振り返る。

 修復は5年ぶり。校庭の隅にある土俵では、同部屋の呼出3人を中心に、住民ら計10人が協力しながら土を掘り起こし、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願うとされる角俵を埋めたり、ひびの入った土俵内に新しい土を入れて固め直したりした。

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