パラ採火、やまゆり園では中止を 事件の遺族が相模原市に要請へ

相模原市役所

 相模原市が東京パラリンピックの採火式を2016年7月に入所者ら45人が殺傷された知的障害者施設「津久井やまゆり園」(同市緑区)で開催すると決めたことについて、事件の被害者家族と遺族の代理人は12日、市と県に対して、同園での採火式の中止などを求める要請書を提出する意向を明らかにした。

 要請書は、事件で犠牲になった美帆さん=当時(19)=の遺族代理人と、息子の一矢さん(48)が重傷を負った尾野剛志さん(77)の連名で13日に市と県に提出する。

 要請書では「事件は元職員が『安楽死』政策をとるよう一方的に国に求めたテロ行為の一環だった」と強調。一方、パラリンピックは「祭典」で、採火式はその一環になってしまうことから「鎮魂としての採火は不可能で遺族や被害者、家族や多くの国民が違和感を持つ」として同園での採火の中止を求めている。

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