全試合完投、抜群の制球力 小浜・エース中野 九州地区高校野球県大会

【決勝、長崎商―小浜】全6試合を1人で投げ抜いた小浜のエース中野=県営ビッグNスタジアム

 第148回九州地区高校野球県大会最終日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで行われた。
 小浜は1977年秋以来87季ぶりの九州切符を逃したが、ノーシードから選手16人で実力校を連破して堂々の準優勝。決勝は最後の攻撃まで長崎商を追い詰めただけに、選手たちの落胆は大きかったが、久しぶりの「HAMAKO」旋風にスタンドからは惜しみない拍手が送られた。
 躍進の原動力はエースで主将の中野。本来は捕手だったが、小所帯のため1年から何でもやってきた。今大会は全6試合を完投。最速139キロの直球にスライダー、カットボール、カーブを交えながら計48回、593球を投げ、防御率1.50、与四死球8と抜群の安定感を披露した。
 この日の六回には同点のホームに頭から滑り込み、ユニホームを泥だらけにした大黒柱。「きょうの負けを絶対に忘れない。6試合、強いチームともやれて団結力は深まった。みんながいるから野球ができる。(本番の夏へ)全部を強化したい」と悔しさを押し殺しながら、しっかり前を見据えていた。


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