韓国で、中国人によるビットコインの為替差益狙った送金が増加か...送金拒否も

最近、韓国の市中銀行で海外送金を希望する中国人が急増しているという。韓国と外国間の仮想通貨の価格差、いわゆるキムチプレミアムを狙った投機行為であるとみられる。

韓国メディア「ニュース1」は12日、銀行業界への取材もとに、「最近、市中銀行の支店ごとに海外送金をする中国人が増加している」とし、「これまで当該銀行との取引がないにも関わらず、4〜5人が現金を持ち寄り、中国に送金をほしいと要求する事例が増えている」と報じた。

彼らは、個人の年間最大の海外送金限度である5万ドル(約547万円)近くを送金するという。このような動きについて、ニュース1は、韓国と海外のビットコイン相場の違いを意味する別名《キムチプレミアム》を利用した中国人よる為替差益狙いの疑いが濃いとの見方を示している。

キムチプレミアムとは、韓国と外国間で生じる仮想通貨の価格差であり、最近はその差が一時20%まで広がり注目されていた。キムチプレミアムという言葉は、今は外国でも固有名詞として使われている。(公式にはコリアプレミアムと呼ぶ)

IMF危機の教訓から富の流出に敏感な韓国は、いち早くビットコインなど仮想通貨の取引に制限をかけているが、それに加え、仮想通貨の採掘量が他国に比べ少ないことや、外国人によるアービトラージ(裁定取引)が閉ざされていることなどが高騰の原因だ。

ニュース1によると、中国人らの行動は、「例えば、韓国と中国で口座を作った後、外国為替銀行を経ないまま韓国でウォンに送金し、中国で人民元として引き出す方式」であり、彼らは差益を得られる。

同紙によると、ビットコイン為替差益を狙ったとみられる事例が増えるに従って、銀行側も対策作りを行っているとされ、一部の銀行は、営業店に為替差益に疑われる場合、送金を拒否するように公文書を送ったという。

© 合同会社WTS研究所