オリ山本由伸をも上回る驚異の三振奪取力… ロッテ新人左腕の光るデータ

ロッテ・鈴木昭汰【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

ここまで3試合に先発して2勝1敗、防御率0.78をマークしている山本由伸

プロ野球は3月26日のペナントレース開幕から2週間ちょっとが経過し、各球団が5カードずつを消化した。セ・リーグは阪神が、パ・リーグは楽天が首位に立っている。各リーグでそれぞれ対戦が一巡し、13日からは2回り目の対戦へと移っていく。

開幕から活躍している選手がいる中で、一際、存在感を際立たせている1人がオリックスのエース山本由伸投手だ。ここまで3試合に先発して、3試合全てで6回以上、自責点3以内のクオリティスタートを達成し、防御率0.78、25奪三振はいずれもリーグトップの数字となっている。

8日にZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦では、打者が思わず身を屈めて避けようとしたボールが、急激に変化してストライクゾーンに入っていく驚愕のカーブを投じたことでも話題となった。真っ直ぐ、変化球、どれを取っても一級品で、開幕からその実力をいかんなく発揮している。

ロッテ鈴木はここまで3試合に先発して0勝1敗、防御率2.12

球界でもトップクラスの実力を誇る山本由伸だが、今季ここまで、三振奪取力で右腕を上回っている投手がいる。しかも、ルーキーで、だ。

それがロッテのドラフト1位ルーキー・鈴木昭汰投手だ。ここまで3試合に登板して0勝1敗。防御率2.12と好投しているものの、まだプロ初勝利を挙げられていない左腕だ。3試合で奪った三振数は山本に次ぐ24個。奪三振率12.71は、山本の9.78を3近く上回っている。

開幕3戦目の3月28日のソフトバンク戦で先発し、5回を投げて1安打2失点6奪三振とした鈴木。4月4日の日本ハム戦は7回を投げて2安打無失点11奪三振、さらに同11日の西武戦では5回3安打2失点7奪三振と結果を出している。イニング数は山本の23に対し、鈴木は17と6イニングも少ないにも関わらず、奪三振は1つしか違わない。

打者3人のうち1人から三振を奪っている鈴木昭汰

セイバーメトリクスの指標を用い分析などを行う株式会社DELTAのデータを用いて、より詳細に見てみよう。

対戦打者数に対する奪三振割合を示す指標「K%」は規定投球回到達者の中でセ・パ両リーグダントツの36.4%を誇る。昨季パ・リーグで最多奪三振のタイトルを獲った山本が30.2%、千賀滉大投手が29.6%だった。ここから見ても、鈴木の三振奪取能力の高さを伺い知ることができる。

その一方で課題もハッキリしている。プロ初登板では6四球、その後の2試合も2つずつ四球を出しており、対戦打者に対する四球割合を示す指標「BB%」は15.2%に。これは規定到達者の中では12球団でブービー。ここが鈴木にとって改善すべきポイントと言えるだろう。

150キロを超える真っ直ぐにスライダー、シュート、チェンジアップなどを交えて打者を翻弄する鈴木。ルーキーでは楽天の早川隆久投手や日本ハムの伊藤大海投手、阪神の佐藤輝明内野手、DeNAの牧秀悟内野手らにも注目が集まるが、この左腕もまた楽しみな存在だ。(Full-Count編集部)

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