「きれいのくに」初回から驚きの展開で話題。吉田羊&蓮佛美沙子が発信するメッセージ

NHK総合で放送中のよるドラ「きれいのくに」(月曜午後10:00)。4月12日の初回放送を終えて、実は恵理という同じ登場人物を演じていたことが明らかになった吉田羊、蓮佛美沙子からコメントが到着した。

新進気鋭の劇作家・加藤拓也氏とNHKが初めてタッグを組み、リアルと虚構が入り交じる全く新しいドラマとしてスタートした本作。「自分の口がゆるせない」「輪郭をほんの少し変えたい」など、誰もが抱える容姿へのコンプレックスを抱えた高校生たちが暮らす、ほとんどの大人が“同じ顔”をした不条理な国を舞台に、ねっとりとした恋愛劇が繰り広げられる“青春ダークファンタジー”だ。

出演者の顔を分割して重ね合わせたメインビジュアルや、動画で紹介されたほとんどの大人が“同じ顔”をした斬新な世界が公開されていたが、第1回で描かれたのは、ファンタジーの序章、大人たちの物語。リアルな夫婦の日常、会話とともに、登場人物の独白を交えながらドラマは展開。40代の再婚同士の夫婦・恵理(吉田羊)と宏之(平原テツ)は子どもはおらず、優雅な生活を満喫しており、「結婚生活に不満はない」。しかし、税理士である宏之の前に美容室を経営する佐川(蓮佛美沙子)が現れ、2人は次第にひかれ合っていく。

佐川は宏之の不倫相手なのか? 夫婦と佐川の独白を聞く、監督(稲垣吾郎)は何を撮ろうとしているのか? ドラマは違和感を残しながら進行していき、終盤、実は佐川は過去の恵理で、2人の出会った頃が描かれていたことが分かる。さらに、40代の宏之がある朝目覚めると、寝室にいたのは、30代の恵理(蓮佛美沙子)だった…という、驚きの展開が繰り広げられた。

吉田は「ファンタジーのようなホラーのような、けれどそこに生きるキャラクターたちのリアルに引き込まれました。私もそうですが、容姿コンプレックスは誰もが抱えているけれど、それを受け入れる強さを持つ人は多くない。みんな平気なふりをしているだけだと知るには、なんとオープンマインドで生きねばならぬことか…恵理さんの苦しみを演じながら、1人でも多く救われますようにと祈りました。さまざまな仕掛けで美しさの価値観を逆説的に問いかけながら、私たちの悩みに小さな風穴を開けてくれるこの作品。皆さまの背中に手を添え、いろいろな個性が認められる世界は素晴らしいよと発信できたら幸いです。今後、更なる展開が用意されていますので、引き続きどうぞお楽しみください」とメッセージを寄せる。

蓮佛は「43才の恵理が、ある日突然33才に若返ってしまう。本来なら同じ役者でやれてしまうところを、あえて変えることで生まれる気持ち悪さや違和感。異質ながらも、私たちが日々無意識にかけられている呪いに気付かせてくれる脚本だなと、不思議な力を感じました。個人的には、羊さんの動画を見あさり、練習し、そこから恵理を創っていく作業は今までで一番難しかったかもしれません。でも、その恵理を通して、心の奥底にある扉をたたかれたような気持ちになりました」と感想を語る。

そして「コンプレックスって、一体何なんだろう。一生満ちることのない“ないものねだり”なのだろうか。恵理たちの世界は、私たちの世界でもあると思います。彼女たちを救う方法を、一緒に考えてもらえたら、とてもうれしいです」と呼びかけている。

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