横浜巡り効率アップ 市、10月に観光バス再編強化

 横浜市内の観光スポットの回遊性を高めようと、市は10月に観光バス事業を再編する。横浜駅発着の野毛山動物園、三渓園、横浜赤レンガ倉庫の3路線を専用ラッピング車両で運行するほか、年間約100万人が利用する周遊バス「あかいくつ」は週末に増便する。一方、定期観光バス「横濱ベイサイドライン」は利用が低迷したため9月末で廃止する。

 市交通局によると、3路線は「野毛山動物園ライン」「赤レンガライン」「三渓園ライン」(いずれも仮称)。料金は路線バスと同額(大人現金220円・IC216円)。野毛山動物園ラインは桜木町駅前、野毛山動物園、一本松小学校のコース。土曜休日に限り、アンパンマンミュージアム入口に停車する。

 三渓園ラインは桜木町駅前、赤レンガ倉庫、中華街入口などを経由。赤レンガラインはみなとみらい21(MM21)地区を経由する。

 一方、1935年に運行開始した横濱ベイサイドラインは9月末で廃止する。市によると、年間の乗客数は約1万2千人で、毎年採算割れが続いていた。同局は「定期観光よりも自由に乗り降りできるスタイルの需要が高まってきた」と説明。「あかいくつと3ラインで効率的に横浜の観光名所を巡ってほしい」としている。増便し値上げあかいくつ 横浜市は観光バス再編強化の一環として、観光スポット周遊バス「あかいくつ」の乗車料金を現行(大人100円、小児50円)から路線バスと同額(大人現金220円・IC216円)に引き上げる。これまで観光客に加え、市民の足として親しまれてきたが、車両更新や混雑緩和のための増車でコスト増加が避けられないため、値上げを決めたという。

 あかいくつは桜木町駅前を発着し、赤レンガ倉庫などを回る。レトロなデザインと乗車料金の安さが魅力で2014年度は約96万人が利用した。今回の増車では、中華街や港の見える丘公園などを経由するルートを土曜休日に1台増車。運行間隔を5分程度短縮し混雑緩和を図る。

 市交通局によると、運行開始は2005年3月。当初は日本宝くじ協会が全5台のうち4台の購入費約1億4千万円を負担したこともあり、格安の利用料金で運行できた。14年度は約1700万円の黒字だったが、17年度から車両の更新時期を迎えるため、乗車料金を値上げし車両更新に充てる。

 また、これまで週末に混雑して乗車できないケースがあったことから、1台増車して計8台で運行し混雑緩和を図るという。同局は「安さも魅力の一つだったが、増便することで、週末は今より余裕を持って利用してもらえるはず」と理解を求めている。

 

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