孫興民の人種差別騒動がSNSボイコット運動に拡大 イングランドサッカー協会も全面支持

孫興民(左=ロイター)

イングランド・プレミアリーグのトットナムに所属する韓国代表FW孫興民(ソン・フンミン=28)を巡る人種差別問題が、英サッカー界を揺るがす大騒動に発展してきた。

事の発端は11日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦でFWエディンソン・カバーニのゴールが、その前のプレーで孫が受けた反則により取り消されたことだった。

ゴール取り消しを巡って両軍の監督が言い合いになったが、問題はその後。孫がわざと反則を誘ったと主張するマンチェスターUのファンやサポーターによる批判がSNS上に殺到。韓国メディアによると、韓国の食文化を揶揄する罵詈雑言や、不法滞在のアジア人が違法DVDを道端で売ることを指して「アジアンDVDダイバー」と蔑称で中傷するなど人種差別発言も数多く浴びせられた。

こうした状況に、トットナムはプレミアリーグと連携して対応に乗り出すと発表。英紙「サン」は「トッテナムが、DFダビンソン・サンチェス(24)に続いて孫まで人種差別攻撃を受けたことで、SNSのボイコットについて協議を進めている」と報じた。

SNSの利用を取りやめる〝ボイコット運動〟はトットナムだけでなくさらに拡大。英スポーツ専門テレビ局「スカイ」によると、ついにイングランドサッカー協会がSNSのボイコットを表明したクラブや選手などを全面的に支持するとの声明を出した。支持するだけでなく、協会自体もボイコット運動に加わる可能性も示している。

この動きはSNSを運営する大手企業の多くが本拠を構える米国にも飛び火。米テレビ局「CNN」は、孫の人種差別騒動を詳報してインスタグラムを運営するフェイスブック社をに今回の問題を取材。「我々インスタグラムにとって望ましくないものだ。規定に違反した多くの文とアカウントを削除した。規制を遵守するために、断固として行動している」とのコメントを報じた。

孫を巡る騒動が、世界中で起きているSNS上の誹謗中傷問題で新たな動きを起こしそうだ。

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