「新型コロナウイルス」関連破たん【4月13日16:00 現在】

　4月13日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん（負債1000万円以上）が4件判明、全国で累計1269件（倒産1190件、弁護士一任・準備中79件）となった。
　月別では2020年9月以降、11月まで3カ月連続で100件超え。12月、1月は100件を下回ったが90件台と高い水準で推移し、2月（122件）、3月（139件）と、2カ月連続で月間最多件数を更新した。4月も13日までに前月を上回るペースの72件が判明した。
　なお、倒産集計の対象外となる負債1000万円未満の小規模倒産は累計64件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計1333件となった。負債1000万円未満を含むコロナ関連破たんは2021年2月2日に累計1000件目が判明。その後も4月6日に早くも1300件を超え、発生ペースが加速している。
　東京都、京都府、沖縄県に追加適用された「まん延防止等重点措置」は、愛知県などの他地域でも適用が検討され始めた。飲食店への時短営業要請は継続し、引き続き事業回復の見通しに不透明感が漂う。休業していた企業の債務整理が進んでいるほか、感染の再拡大による息切れやあきらめ型の増加で、コロナ関連破たんはさらに増勢が強まる可能性が高まっている。

【都道府県別】（負債1,000万円以上）

　都道府県別では、東京都が297件（倒産281件、準備中16件）に達し、全体の4分の1（構成比23.4％）を占め、突出している。以下、大阪府128件（倒産121件、準備中7件）、神奈川県62件（倒産58件、準備中4件）、愛知県57件（倒産56件、準備中1件）、北海道56件（倒産55件、準備中1件）と続く。
　13日は香川県で2件のほか、神奈川県、大分県でそれぞれ1件ずつ判明した。この結果、都道府県別では10～20件未満が20府県、20～30件未満が3県、30件以上は11都道府県に広がっている。

【業種別】（負債1,000万円以上）～飲食が最多229件、建設113件、アパレル110件、宿泊77件～

　業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多の229件。一部地域では時短要請が継続し、営業制限が続く飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。
　次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が113件、小売店の休業が影響したアパレル関連（製造、販売）の110件。このほか、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル，旅館の宿泊業が77件と続く。
　また、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が59件、食品製造業も43件と目立ち、飲食業界の不振が関連業種に波及している。

【負債額別】（負債1,000万円以上）

　負債額が判明した1247件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で440件（構成比35.2％）。次に、1千万円以上5千万円未満436件（同34.9％）、5千万円以上1億円未満208件（同16.6％）、10億円以上が83件（同6.6％）、5億円以上10億円未満が80件（同6.4％）の順。
　負債1億円未満が644件（同51.6％）と半数を占める。一方、100億円以上の大型倒産も6件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】（負債1,000万円以上）

　「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した1190件の形態別では、破産が1048件（構成比88.0％）で最多。次いで民事再生法が66件（同5.5％）、取引停止処分が62件（同5.2％）、特別清算が7件、内整理が6件、会社更生法が1件と続く。
　「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
　先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】（負債1,000万円以上）

　「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数（正社員）が判明した1192件の従業員数の合計は1万6443人にのぼった。
　1192件の内訳では従業員5人未満が618件（構成比51.8％）と、半数を占めた。次いで、5人以上10人未満が235件（同19.7％）、10人以上20人未満が175件（同14.6％）と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
　一方、従業員50名以上の破たんが2月は4件、3月も6件発生しており、中堅規模以上のコロナ関連破たんが増加している。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。