高齢者ワクチン接種 長崎県内11市町、終了見通せず【自治体アンケート】

高齢者へのワクチン接種終了見通し(左)、高齢者へのワクチン接種開始予定日

 65歳以上の新型コロナウイルスワクチン接種が12日から長崎市など全国の一部地域で先行実施されたのに合わせて、長崎新聞社が県内21市町に開始時期や接種順などをアンケートしたところ、大半の自治体が国から最初のワクチンを受け取った翌週に接種を始めることが分かった。最も開始時期が遅いのは西彼時津町の5月9日。一方、終了時期については11市町が「見通せない」と答えた。
 7~12日に各市町のワクチン接種事業担当者に聞き取った。
 回答によると、長崎市に続き、佐世保や諫早など10市町は12日の週にワクチンの第1陣が届き、「19日」または「19日の週」に接種に着手する。19日の週に受け取る五島や東彼東彼杵町など10市町のうち、7市町は4月中に接種を開始できる見通し。壱岐市は医療機関と調整ができ次第、26日の週以降に始めたいという。
 接種順については、12市町が高齢者施設の入所者や入院患者を優先する。要介護者や疾患のある人は重症化のリスクが高いことを理由に挙げている。
 南島原市と雲仙市、西彼長与町は高齢者施設の入所者だけでなく、従事者も同時接種する。国が示した接種順位とは異なるが、厚生労働省は特例として、クラスター対策の推進を目的に「同じタイミングで行うことも差し支えない」との見解を示している。長与町によると、入所者と従事者は計約千人で、4月に供給される975人分を割り当てる。
 自治体によっては「85歳以上」など年齢の高い人を優先。五島市は医療体制が十分でない二次離島(16歳以上)から始める。
 集団接種の会場は多くの市町が学校の体育館や公民館などを確保済み。個別接種に向け、地域の医療機関の協力も取り付けている。


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