大ベストセラー『怖い絵』シリーズの著者、中野京子監修コンピ『怖いクラシック』ブックレットの内容を一部公開

大ベストセラーである『怖い絵』シリーズの著者であり、2017年に上野の森美術館と兵庫県立美術館で開催され68万人を動員した『怖い絵展』の監修を務めたドイツ文学者、西洋文化史家の中野京子が監修・解説を手がけるクラシック・コンピレーション・アルバム『怖いクラシック』が本日4月14日に発売。これを記念して、ブックレットの内容が一部公開された。

これまで多くの美術解説書を発刊し、芸術作品を歴史的背景や人間関係から読み解き、人間的な「怖さ」を軸にした面白さを提唱した第一人者として知られている中野。今作では、絵画という枠を飛び越えクラシック音楽の裏に隠された「怖さ」を紐解き、制作・作曲背景に怖い逸話が潜んでいるクラシックの名曲を自ら選曲。

CD封入のブックレットには、中野書き下ろしの楽曲解説が掲載され、より立体的に音楽を楽しむため、楽曲それぞれに関連のある絵画を1枚ずつセレクト。クラシック音楽と絵画が掛け合わされ、歴史的な繋がりや共通点を多面的に楽しむことができる仕掛けが施されている。

中野は選曲について「今までクラシック音楽に興味がなかった人にも楽しんでいただけるように、一度は聴いたことがあるような有名な曲を選びました」と語っている。

また、本作を通してクラシック音楽に興味を抱いた人が、作品について掘り下げられる特設ページも開設。パスワードを知る人のみがアクセスできる「秘密の美術館」では、クラシック専門家による解説も読むことができる。(※パスワードはCDブックレットに記載されている他、デジタル・キャンペーンなどで入手可能。)

『怖いクラシック』特設サイト 

1曲目のラヴェルによる「亡き王女のためのパヴァーヌ」では、ラヴェルが、宮廷画家ベラスケスが書いたスペイン王女マルガリータの愛らしい少女時代の絵画にインスパイアされてこの楽曲を作曲したことに触れつつ、

「彼は知っていたのだろうか、マルガリータが血族結婚くり返しの果て虚弱に生まれ、叔父のもとへ嫁がされ、お産の床で若くして亡くなったことを。甘く切ないこの曲は、王女ばかりでなくラヴェル晩年のエピソードとも重ねずにおれない。認知症気味となった老ラヴェルは街で偶然この曲を耳にし、「なんて美しいメロディだ。誰が作ったのだろう」とつぶやいたという。」(ブックレットから抜粋)

と畳みかける。通常の解説では終わらない中野節が炸裂した解説はどれも、読み応え満載だ。

なお、本作は角川文庫より好評発売中の「大人のための『怖いクラシック』オペラ篇」とのコラボレーション作品となっており、書籍では「椿姫」「ホフマン物語」「カルメン」「蝶々夫人」など、コンピレーションでも取り上げたオペラ作品の楽しみ方や、原作の裏に秘められ物語や制作秘話などが綴られ、音楽ファンや『怖い絵』の絵画ファンにも楽しめる作品となっている。

■リリース情報

中野京子監修『怖いクラシック』

品番:UCCS-1294 (SHM-CD)

価格:¥2,200(税込み)

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