【皐月賞】エフフォーリア&横山武が最終追い切り “静”の仕上げもデキは最高潮

人馬ともに勢いのあるエフフォーリア&横山武。最終追いでピークの状態に仕上がった

牡馬クラシック第1弾・第81回皐月賞(18日=中山芝内2000メートル)の最終追い切りが14日朝、東西トレセンでスタートした。先週の桜花賞は終わってみればソダシが勝利し、昨年に続き無敗の桜花賞馬が誕生した。ならば牡馬戦線も一昨年のサートゥルナーリア、昨年のコントレイルに続く無敗の皐月賞馬誕生を期待しないわけにはいかない。中でもレベルの高い共同通信杯を制し、3戦3勝で本番へと挑むエフフォーリア。横山武を背に美浦南ウッドで行われた総仕上げに密着した――。

先々週の大阪杯では5戦5勝のレイパパレがV、先週の桜花賞では4戦4勝のソダシがV。今春のGⅠ戦は無敗馬の“独演”が続いているが、今週もその流れは止まりそうもない。デビュー以来、3戦3勝と負けなしのエフフォーリアが堂々の主役だ。

重賞初挑戦だった前走の共同通信杯では後続を2馬身半突き放して圧勝。その2着馬ヴィクティファルスが次走のスプリングSで1着、3着馬シャフリヤールも次走の毎日杯で1着。こちらは1分43秒9のレコードというオマケつきだ。これら世代屈指の素質馬を子供扱い。一体どれだけ強いのか、どこまで強くなるのか――。世代最高のボディー、エンジン出力、底知れぬ魅力を放つ無敗馬の最終追いが14日朝、美浦南ウッドコースで行われた。

馬上には横山武史(22)。こちらは天才ジョッキー横山典弘を父に持ち、デビュー4年目の昨年は史上最年少で関東リーディング1位に輝いた。まさに順風満帆、勇往邁進。当面の目標はビッグタイトル制覇。昨年のオークス(2着)ではウインマリリンに騎乗し、最後の最後までデアリングタクトを苦しめた。先週の桜花賞ではアカイトリノムスメで4着。いまや華やかな大舞台でも常連になりつつあり、悲願達成はもはや時間の問題だ。

エフフォーリア&横山武は前半のゆったりとしたペースでも落ち着いて追走。5ハロン標識では3馬身ほど前にいた3歳未勝利馬との間合いを詰めていき、直線ではジワッと脚を伸ばして馬体を並べてフィニッシュ。あくまで“静”に徹した追い切りだったが、それだけピークのデキに仕上がっている証拠だ。

動きを見届けた鹿戸調教師は「先週は日曜にも時計を出しているし、もう強く負荷をかける必要もないから。今朝は折り合いの確認が最重要テーマ。終始リズム良く走れていたし、しっかりと仕上がったと思う」と態勢万全をアピール。一方の横山武は「いい感じでしたね。この馬は柔軟性の高さと大きな体が武器。広いコースがベストだけど、新馬勝ちした札幌よりは中山のほうが広いですから。さらに相手は強くなるので甘くはないですけど、ここでも十分にやれると思います」と強気に締めくくった。

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