西海市長選 候補者に聞く 杉澤泰彦氏 「市民目線の行政」進化

各社合同取材に答える杉澤泰彦氏=西海市、大瀬戸コミュニティセンター

 11日に告示された西海市長選は、前市議で新人の田崎耕太氏(38)、現職の杉澤泰彦氏(68)、前市議で新人の岩本利雄氏(78)の三つどもえの戦いとなり、18日の投票に向け舌戦を繰り広げている。立候補の動機や重点政策のほか、建設から42年が経過、本館と五つの別館に機能が分散している市庁舎に対する見解などについて各候補に聞いた。

 質問項目

(1)立候補の動機
(2)重点政策
(3)選挙の争点
(4)市庁舎に対する考え方
(5)目指す市長像や趣味

 杉澤泰彦氏(68)=無所属・現=(自民・公明推薦)

 (1)掲げてきた「市民目線の行政」を進める。乗り合いワゴンや高速通信網の整備、総合支所の機能強化など一定の成果を得たが道半ば。西彼杵道路の延伸、肥前大島港の工業団地整備も方向性が見え、次の4年で成果を確認したい。
 (2)松島火力発電所の存続問題は2050年の脱炭素社会実現とリンクする。高効率化を国などに求め、洋上風力の誘致、森林資源の活用とあわせモデル都市を目指す。地域医療の体制維持、不妊治療など出産前後から高校卒業までの切れ目ない子育て・教育支援、農林水産、商工業の活性化、防災拠点づくり、島の暮らし支援などを通じ「人が育つ西海市」が目標。
 (3)人口2万7千の規模だからこそ小回りが利く政策を実行できたと訴えたい。例えば新型コロナ対策。事業者向けの給付金では他市町よりも期間を長く設定、遺体搬送料補助にも取り組んだ。人口減対策では、まずは転出が転入を上回る「社会減」に歯止めをかけたい。情報通信技術(ICT)の発達に伴い、起業したい人材に移住してもらえる環境も整える。
 (4)現庁舎は耐震工事済みだが、建て替え時期は訪れる。防災面も含め慎重に判断する。今後、市民サービスの窓口は技術革新でスマート化が進む。各町総合支所のネットワークとの両輪で市民の利便性を高める。
 (5)市民と気軽に話せる市長でありたい。趣味は読書、音楽鑑賞。20代後半には長崎でジャズ喫茶のマスターを経験した。

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