菅首相の感染状況“認識不足”に野党激怒「五輪開催ありき」

菅義偉首相

菅義偉首相(72)が14日の参院本会議で、新型コロナウイルスの感染状況について「現時点で全国的な大きなうねりとまではなっていない」との認識を示した。

野党側は東京五輪開幕が100日後に迫るなかでの菅首相の発言に「危機感がない」と警鐘を鳴らしている。

立憲民主党の枝野幸男代表(56)はこの日に行われたコロナウイルス対策関係連絡会で「残念なことだが、第4波という状況になってしまっている。いまだに菅総理はそのことを認めていないようであるが、客観的な事実に目をつぶって適切な判断ができるはずがない」と菅政権の危機管理の欠如を厳しく批判した。

「大阪で厳しい対応を取らないことが全国に感染を広げていくということになりかねない。そして東京もまん延防止等重点措置を適用したが、若干時期が遅れたという状況を見ると、緊急事態宣言を躊躇することなく、実施することが求められる」(枝野氏)

国民民主党の玉木雄一郎代表(51)は8日に行われた会見で東京五輪について「延期論も含めて一度冷静に検討すべきではないか」と話している。

「まん延防止等重点措置を出すような状況であればオリンピックはできない。個人的には(開催が)非常に難しくなってきているという印象だ」(玉木氏)

枝野、玉木両代表の言葉に聞く耳を持たない菅首相に対し、野党関係者は「菅政権は新型コロナ感染拡大が懸念がされていても、五輪を開催ありきで進めています。五輪が開催されなければ退陣を余儀なくされるからではないのか」と語った。

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