コロナ禍でのジャニライブ。KAT-TUNの場合は身体で愛を伝える?

新型コロナウイルス感染症の拡大は止まらず、今年3月には緊急事態宣言のもと、いくつかのジャニーズライブが中止・または延期となった。しかし3月下旬より、ジャニーズはアリーナ規模の会場で、感染防止対策を講じながら再びライブを開催している。今回は、コロナ感染症予防対策を講じて行われたKAT-TUNのライブ(宮城セキスイハイムスーパーアリーナ、大阪城ホール)で見た安全なライブの楽しみ方を紹介する。

 身体で表現する今年のライブは身体の関係?

普段のライブとコロナ禍でのライブの大きな違いは、マスクを着用し、公演中の声出し・歓声を控えることだ。観客を前にしたKAT-TUNの1回目の公演は、登場シーンで一瞬歓声が上がったが、その後は思わず声を出すのを我慢しながら、大きな手拍子で盛り上げるファンの姿があった。

 「声は出せないけど、その倍手拍子でリアクション、よろしくお願いします」と中丸。亀梨の第一声は「hey宮城~。ちゃーんと身体で感じて身体で表現して来いよーーー!」。ファンは、こんな煽りにも黄色い歓声で応えることができず、声を出すのをこらえる。

 MCでは「hey!とかSay!とか言っているけど、声を求めているんじゃなく、身体を求めているってこと」と亀梨が言えば「今回のライブは身体を求めています。身体を目的とした、身体の関係ってことですね」と中丸が話を広げ、「身体と心ね」と上田がフォローし、会場の熱が上がる。

 声が出せないので、思いきり拍手や手拍子をして、ペンライトを振り、応援の気持ちを伝える。初めは「歓声がないライブは初めて」と戸惑っていたKAT-TUNだが、日を追うごとに馴れてきたのか、MCではメンバーが何かしゃべるたびに起きる拍手を面白がり、拍手と会話するようなシーンも見られた。

 「思いきり手拍子して」「寄り道しないで帰って」

 Sexy Zoneの中島健人は名古屋のライブで「今日コンサートに行くという決断をしてくれてありがとう。勇気がいることだったと思う」とあいさつした。実際、家庭や職場への気遣いや規制のもと、ライブに行くのを悩み諦めた人もいる。

 亀梨は毎回公演の最後にコロナ関連に触れる。「早く日常を取り戻せるように、引き続き、手洗い、うがいはもちろん、しっかりと感染対策をして、また大声で一緒に騒げる日がまた来ますように」「お家に帰るまでがライブ。なるべくどこにも寄り道しないで帰って、今日という時間を噛みしめてください」など、優しく呼びかける。上田も「体調崩すなよーー!」とファンを気遣う

 「早く日常を取り戻すためにしっかり感染対策を」。そんな推しの言葉は、何より励みになるだろう。

 会場でのグッズ販売はなし。同行者登録はマスト

 今回は感染予防対策としていつものライブと違う点がいくつかある。ひとつは、ライブ会場でのグッズ販売がないこと。うちわやペンライトなどのグッズは、事前にジャニーズオンラインショップで購入する。申し込みが殺到しグッズの到着が遅れて参加するライブに間に合わなかったファンもいるので、早めの購入がおすすめだ。

 ライブに参加するまで、いくつかやるべきことがある。当選者は、同行者全員の名前と連絡先(メールアドレス)を事前に登録し、その後同行者はメールに記載された個別のURLにアクセスして、同行者登録を行う。

 ライブ当日は、出発前に個別のURLにアクセスして「来場に際しての確認事項」をチェックする。全員分の同意チェックがそろうとデジタルチケット(QRコード)が発券されるのだ。入場時間は、混雑(密)を避けるために、あらかじめ指定された時間に入場する。事前に厚生労働省が開発した新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)をスマホにインストールしておき、入場時にスマホの画面をスタッフに見せる(会場により確認がない場合もある)。退場はいつもと同じく規制退場に従う。

また、通常のライブと違って、アリーナやスタンドの通路を運行うトロッコや銀テープを上から降らせる演出などはなかったのは、3月下旬から再開したSexy Zone、NEWSのライブと同様だ。

 安全を守るための「スマイルアップシールド」

 入場口では、ジャニーズオリジナルのフェイスシールド「スマイルアップシールド」が一人に1枚ずつ無料配布される。マスクとセットで着けるもので、切り込み部分2カ所にマスクの耳掛けヒモを通して使い、主に目を飛沫感染から守る。

 スマイルアップシールドの着用は、現在のところは義務ではない。着用を躊躇する声もあったが、薄くて軽いため、ライブが始まり会場が暗くなりステージライトのみになると視界はクリアになり、着けているのを忘れるほどだ。

一部には「双眼鏡を使いにくい」という声もあったが、スマイルアップシールドを鼻の上に立てて距離をできるだけ近づけて鼻の上に真っすぐ立てると見やすくなるそうだ。ライブが始まる前に、しっかりピントの調整をして臨むと良い。

Twitterでは「推しの感染予防のためにスマイルアップシールドをつけよう」「ファンを守るために事務所やタレントが考えて用意してくれたことに感謝」「装着して日常を早く取り戻したい意思表示をしよう」と呼びかけるファンも。ちなみに「スマイルアップシールドをつけていたから見てもらえた」「着けているとファンサもらえる確率高い」といった書き込みも多く見られる。

万が一、ライブでクラスタが発生したら、今後のジャニーズライブ全部に影響が出る可能性がある。ファンサ以前に、予防対策を万全にして、安全・安心にライブを楽しもう。公演終了後に、ジャニーズネットから「感染予防対策への協力に対するお礼メール」送られてくるのも、感染防止に対する並々ならぬ思いの表れだろう。

Twitterには、「歓声のないライブは初めてでも、楽しかった」という、幸福感でいっぱいの声があふれている。SNSなどで情報を共有しながら「with コロナ」時代の新しいライブの参加スタイルが回数を追うごとに定着し、良い方向に向かってほしいと思う。

〈ライター/佐藤ジェニー〉

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