西海市議選情勢「少数激戦」 現職・基礎票固め急ぐ 新人ら・知名度向上図る

定数18に19人が立候補した西海市議選のポスター掲示板=同市役所

 11日に告示された西海市議選は、定数18に対し19人(現職13、元職1、新人5)が立候補した。コロナ禍で活動に制約がある中、少数激戦の構図。現職は地縁・血縁などの基礎票固めを急ぎ、新人らは議席獲得に向け懸命に知名度アップを図っている。
 現職陣営には「次点(最下位)にならなければ当選できる」と選挙戦を楽観視する向きもある。ある現職陣営は「候補者数で戦い方は変わる。まずは地元をよそに持っていかれないように」と、告示日には地元を徒歩や車で回る「どぶ板」の活動に徹した。
 今回、新人・元職は6人。地域や団体・組織などから一定の票が見込まれる有力候補も複数。一方で、2月末の立候補者説明会まで無投票もささやかれていただけに、準備不足が否めない陣営も。前回上位で当選した候補は「半年以上前から準備してきた新人もおり、選挙はあって当然」と指摘。別の現職は「地縁血縁は強い。前回、応援してくれた人に『今回は新しい人を』と告げられ、気持ちがへこんだ」と明かし、新たな支持獲得に励む。
 4年前の最下位当選者の得票は668票。今回は「1人落選」のため、当選ラインは「分からない」とする陣営が多い。ただ、実数を挙げた陣営に限れば見立ては700~800票に集中する。


 立候補者を旧町別にみると▽西海町7▽西彼町6▽大瀬戸町3▽大島町2▽崎戸町1。約7千の大票田、西彼町は候補者が南部に偏り、スーパーなどが集中する町北部には浮動票を狙う各町の選挙カーが乗り入れ、名前を連呼する。同じく大手造船所があり、市外出身者、単身者が多い大島町や「候補者空白地」の大瀬戸町北部に熱視線を送る候補も少なくない。
 各候補は18日の投票日に向け最後の追い込みを図るがコロナ禍の中、個人演説会を見送り、選挙カーと街頭演説中心の選挙戦。会員制交流サイト(SNS)で「空中戦」を展開する候補も。ある新人は街頭演説に並行して取り組み、浸透を図る。「日々の活動を若い世代に届けることで、選挙に関心を持ってもらえたら」と語る。
 前回の投票率は77.83%で過去最低。陣営からは、今回は「下がる」との見方が大勢で、75~70%前後と予想。一方、三つどもえの市長選を念頭に「前回並み」「数ポイント上がる」と期待する陣営もある。
 有権者数は2万2979人(男1万1148、女1万1831)=10日現在、市選管調べ=。

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