IAEAが放出前、放出中、放出後各段階で協力

 梶山経済産業大臣は14日、国際原子力機関IAEAのグロッシー事務局長とTV会談し、東京電力福島第一原発事故により増え続ける放射性物質汚染水の汚染処理水(ALPS処理水=トリチウム以外の核種について環境放出の際の規制基準を満たす水)の海洋放出についての協力を求めた。

 経産省によると、梶山大臣は「ALPS処理水に関し、科学的な知見を基に、現状とその安全性について国内外への発信をお願いする。また(1)レビューミッションの派遣、(2)環境モニタリングの支援、(3)国際社会に対する透明性の確保について正式に協力を要請した。今後、双方協議を進め、具体的な協力内容についてできるだけ早く策定したい旨を述べた」としている。

 この要請に対して、グロッシー事務局長は「要請協力について積極的にお受けしたい。IAEAは日本と協働し、透明性高く、処分前・処分中・処分後の各段階において協力をしていく旨を述べた。両者は今後も緊密に連携しつつ、準備を加速化していくことで合意した」という。

 海洋放出を巡っては隣国の韓国は国際海洋法裁判所への提訴を検討。中国は外務省の趙立堅(ちょう・りっけん)副報道局長が「飲めるものなら飲んでみてほしい」と麻生太郎財務大臣が「飲んでも何てことはないそうだ」と発言したのを受けて語り、海洋放出に強い懸念と安全性への疑念を示している。通常運転では排出されない11の核種についての説明と処理ができているのか、安全性に関して、国際社会への説明が政府、与党、東京電力には求められている。国内でもネット上では海洋放出を決めた閣僚には処理水を飲んでほしいとの声が上がっている。(編集担当:森高龍二)

経産省によると、梶山大臣は「ALPS処理水に関し、科学的な知見を基に、現状とその安全性について国内外への発信をお願いする

© 株式会社エコノミックニュース