鷹、鮮やか逆転勝利で単独首位! 工藤監督が称えた勝負のポイントは「今宮の四球」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

5回を3失点で終わらせた美技も称賛

■ソフトバンク 4ー3 オリックス(15日・PayPayドーム)

ソフトバンクは15日、本拠地でのオリックス戦を4-3で勝利し単独首位に浮上した。先発・武田翔太投手が5回に3点を先制されるも、その直後に4点を奪って逆転。6回からは守護神・森唯斗投手を欠くブルペン陣が無失点でしのいだ。

先発の武田が5回に失った3点をあっという間にひっくり返した。下位打線でチャンスを作り、周東佑京とグラシアルの適時打で1点差に追い上げると、4番の栗原陵矢が左中間を破る逆転の2点タイムリー二塁打。工藤公康監督は「打ってほしいところでしっかり打ってくれる」と栗原の勝負強さを称賛しながらも、逆転劇のポイントとして挙げたのは別の選手の名前だった。

「甲斐君も追い込まれてしっかり打ちましたが、ポイントになったのは今宮君の四球ですかね。あれで(ベンチが)盛り上がりましたから」と、前日から9番に入り、この日も3四球で上位打線への繋ぎ役を果たした今宮の働きを称えた。

また、今宮は5回の守備では杉本の打球を倒れながら処理して、二塁でT-岡田をアウトにする美技を披露。これ以上の追加点を防ぐビッグプレーとなった。「昨日の和田君も『力になる』と言っていましたが、初回の周東君にしても1つ1つのプレーが投手を助けてくれる。リクエストにはなりましたが、チャンスが広がればどうなるかわからないところでしたからね」と、連日の守備での貢献にも賛辞を送った。

左肘の腫れでベンチ入り回避の森には「僕も見ましたが腫れていたので時間は空けます」

この日は森唯斗が左肘の腫れを訴え、ベンチ入りを回避。守護神不在の中、先発が5回で降板、リードはわずかに1点とブルペン陣には大きな負担がかかったが、泉圭輔、津森宥紀、嘉弥真新也、岩嵜翔、モイネロが無失点リレー。

「松本(裕樹)君を使うことも考えていましたが、何とか(武田が)5回までいけたのでね。昨日は泉君も津森君も投げていないので使えるなと思っていました。そこに嘉弥真君を挟んで、8、9回は考えられたので、今日は松本君は使わずにいけました」と指揮官。さらに「森君が戻ってくるまでは、相手の打順によって8回にモイネロ、9回に岩嵜君ということも考えられる」と今後の起用案も明かした。

森については所沢遠征には同行させず「良くなったら合流することもある」としたが「僕も見ましたが腫れていたので時間は空けます。医者からも様子を見た方がいいと言われていますので」と無理をさせないことを強調した。

楽天がロッテに負けたことで首位に浮上したが、16日からは前回3連敗した西武が相手。「明日は移動ゲームになりますが、今日は試合も長くなかったし、いい感じで勝てたのでいい感じでゲームをする、ということが大事。あまり一喜一憂せずに先を見据えて1つ1つ勝っていければと思います」と語った。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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