小室圭氏は国民の望むものがわかっていない。「切実に名誉の問題」と語る“小室ブリーフ2021”に思うこと

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羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>__
「切実に名誉の問題でもありましたし」小室圭氏__
(4月8日)

ようやくというべきか、小室氏が母親と元婚約者との間にあった400万円の金銭トラブルについて、釈明する文書を4月8日に公表した。

小室家の金銭トラブルを簡単に振り返ってみよう。「週刊女性」2017年12月26日号(主婦と生活社)が「秋篠宮家はご存じか! 眞子さまの婚約者・小室圭さん母の『400万』借金トラブル」と報じた。かいつまんで言うと、小室氏の母親と交際していた元婚約者の男性が、小室さんの学費や母子の生活費400万円を負担していたが、度重なる無心に疲れ果て、婚約を破棄。400万の返済を求めたが、小室さん側は「お金は贈与されたもので、返す必要がない」とスルーしたという。

同誌で「弁護士法人・響」の天辰悠弁護士が「借用書がないのでお金を取り戻すことは難しい」と、法律的には小室母子が正しい(返済の義務はない)とコメントしていた。そもそも、借金は小室氏がしたものではないから、彼の結婚には無関係といえるだろうが、法律的には問題なくても「人からカネを借りておいて平気で踏み倒す母親と、それをとがめない息子」という印象を受けた人や、そういう人たちが皇室の縁戚となることに拒否感を覚える人もいただろう。報道があった2カ月後、宮内庁はご婚約延期を発表した。

ネックになっているのは、金銭トラブルなわけだから、それを解決すれば流れは変わるはず……なのだが、小室氏側は19年1月に、「金銭問題は解決済みと理解」とする文書を公表した以外、沈黙したまま。国民の不信感が高まる一方の中、ついに先日、28枚4万字にも及ぶ“小室ブリーフ2021”を公表するに至った。私は一通りこれを読んだが、どうも小室氏は、国民が何を望んでいるのかわかっていないようだ。

“小室ブリーフ”を簡単にまとめるとするのなら、「借金ではない、だから返さない」「お金を渡せば、借金だと認めたことになる」の繰り返しである。「一般的には金銭トラブルと呼ばれていますが、切実に名誉の問題でもありましたし」と「あえて払わなかったのだ」と、プライドの高さをにじませるような主張をする。

28枚もかけて、それが言いたかったんかいと、こちらはズッコケるが、4月12日には小室氏の代理人弁護士が「元婚約者に解決金を支払う意向がある」と発表し、さらに国民を驚かせる。「借金じゃないから、払うわけにはいかない」と持論を述べつつ、けれど解決金を支払うことで丸く収めようと思ったのかもしれないが、より混乱したという国民のほうが多かったのではないだろうか。ウェブサイト「AERA dot.」が、9日夜から12日までに実施したアンケート(回答数2万8641件)によると、“小室ブリーフ”や解決金の支払いについて、賛同より批判的な声のほうが多かったという。

小室氏にとって「名誉を守る」とは何を意味するのか。おそらく、小室氏は名誉を、名誉権にもとづく「権利の問題」と考えていて、むやみやたらに侵される筋合いはないと考えており、だからこそ、お金を渡せば金銭トラブルが解決することがわかっていながら、「あえて渡さない」選択をしたのだろう。小室氏が自身や母親の名誉を重んじていることがよくわかるが、一つ視点が抜け落ちていやしないか。

国語辞典を引くと、名誉とは「社会的に認められている、その個人または集団の人格的価値。体面。面目」と書かれている。つまり、名誉とは個人の権利や尊厳であると同時に「他人からどう見えるか、社会からどう判断されるか」という客観的な視点も必要とするわけだ。

小室氏がどんな人物なのかを、国民は知らない。しかし、「社会的に認められている、その個人または集団の人格的価値。体面。面目」という意味の“名誉”を考えるなら、小室氏に心もとない点があるのは確かだ。

大手銀行に勤務していた小室氏は、眞子さまにプロポーズした後、銀行をやめてしまう。国際弁護士になりたいという夢を捨てきれなかったためと報道されていたが、実家が援助してくれる場合は別として、庶民の世界では、仕事で一人前になって生活の目途が立ってから結婚するほうが多数派だろう。きちんと国際弁護士になってからプロポーズすればいいものを、順番がおかしいため、世間に「眞子さまの持参金目当て」「ロイヤルブランドの利用」という悪い印象を持たれてしまうのではないか。

人は誰しもバイアスをかけて物を見る。年収1億の青年が「世の中はカネではない」と言えば、「仕事ができる上に、拝金主義ではない、高潔な人物だ」と好意的に受け取られることもあるが、健康なのに働こうとしない若者が同じことを言ったら、「理屈はいいから、働けよ!」と叱られてしまう。では小室さんはどうかというと、たとえ現在、米ニューヨークアメリカでの司法試験に向けて猛勉強中とはいいえ、社会的な条件で見れば、職務経験の少ない29歳の学生だけに、マイナス方向のバイアスがかかっている。その上、金銭トラブルも明るみになってイメージはよろしくない。小室さんが自身の名誉を守りたいなら「論より証拠」で、自分の“社会的”名誉を上げるしかないのではないか。

皇室と名誉といえば、渡辺みどり著『美智子皇后「みのりの秋」』(文春文庫)で、こんなエピソードが紹介されている。民間から初めて皇室にお輿入れになった美智子さまが廃止した乳人制度だが、上皇さまは乳人によって育てられた。当時、乳人に選ばれるのは名誉なことであり、宮内省(当時)は全国から乳人候補を探したという。白羽の矢が立った女性は、慎重を期して、警察が本人はもちろん、両親、夫の両親、近親者に犯罪者、思想犯などがいないか、徹底的に調べたそうだ。

小室氏や若い世代の人は、こういう“調査”を「名誉を棄損している、プライバシーの侵害だ」と思うかもしれない。しかし、自分が潔白であると積極的に証明することで、まず本人の名誉が保たれる。有事の際は、宮内省関係者が対応しやすいことを考えると、この場合の名誉は、個人の権利である前に、“透明性”や“客観性”を必要とするといえるのではないか。私から見ると小室氏は、「傷つきやすく、権利を侵害されると頑なになるが、義務を果たすことには熱心でない」人物に見えてならない。

不敬を承知でいろいろと書いたが、私は小室氏の仕事の目途が立ったら、結婚するとよいと思う。ただし、経済的な基盤ができても、懸念材料には事欠かないだろう。今回の“小室ブリーフ”で小室氏がプライドが高いこと、他人の気持ちを考えることが得意でない(読み手のことを考えたら、もっと文書を簡潔にまとめるだろう)ことが明らかになったように感じている。

結婚とは、離婚のリスクを抱えることだが、「週刊女性」17年6月13日号によると、眞子さまは離婚した場合、皇居や宮邸には住めないという。モラハラや暴力など、夫婦の間に危機はいくらでもあるが、眞子さまは「帰る場所がない」状態で結婚しなくてはならないのだ。

内親王のお相手といえば、上皇陛下のご長女・紀宮さまと結婚した黒田慶樹氏は、婚約内定会見で「宮さまには、これからの生活の多くが新しいことで、ご不安をお感じなることも多くおありかと存じますけれども、私といたしましては、できる限りのことをさせていただきたいと存じております」と、紀宮さまファーストで生活を組み立てる覚悟を見せていた。小室氏にこの配慮と覚悟はあるのかーー。全ての結婚は賭けだが、眞子さまにはこの賭けに、負けてほしくないと願うばかりだ。