阪神・ドラ1佐藤輝また驚弾! 打撃V字回復のウラに「兄貴」サンズの存在

4回にバックスクリーン弾を放ち、サンズ(左)に祝福される阪神・佐藤輝

阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手22)が止まらない。15日の広島戦(甲子園)で2戦連発となる5号2ラン。4―0の完勝劇に大きく貢献し、チームを5連勝へ導いた。開幕直後は〝一軍の壁〟に苦しめられてきた背番号8だが、直近5試合で20打数8安打(本塁打3本)、6打点と打棒は急上昇。好調の裏には頼れる〝助っ人アニキ〟の存在があった。

電光掲示板に表示されたトラックマンデータによると打球速度は173キロ。打球角度24度。飛距離131メートル。あっという間にバックスクリーンへ吸い込まれ消えていった白球が、気の毒になるほどの強烈な当たりだった。

2―0の4回。無死一塁で打席に入った佐藤輝はカウント1―1から左腕・床田の投じた低めへの直球をフルスイング。この5号2ランでセ本塁打王レース2位タイに浮上。シーズン開幕当初は三振を量産し打率も1割台前半にまで沈んでいたが、こちらも2割3分8厘にまで上昇した。

そんな上り調子の背番号8を陰で支えているのが来日2年目のジェリー・サンズ外野手(33)だ。ここ数週間の間でサンズは佐藤輝、梅野などと試合前練習の時間を使い打撃談義をしばしば行うようになった。

サンズ本人は「プロの経験という意味では自分の方があるし、知識や経験をシェアできればと思って」と謙遜するが、助っ人の打撃指導は効果てきめん。佐藤輝も「(サンズには)手の使い方やどういう感覚で打っているのかといった話をよく聞く。お手本のような選手なので、これからもどんどん(アドバイスを)聞いていきたい」と感謝しており、球団関係者も「大幅に若返った阪神でサンズは今、一軍にいる野手としては糸井の次の年長者になる。来日2年目ということもあるし、リーダーシップのようなものを見せてくれるようになった」と目を細めている。

新外国人のメル・ロハス・ジュニア外野手(30)も昨オフ、巨人と阪神の間で争奪戦となったが、阪神移籍を決めた大きな理由の一つとして、ともに韓国プロ野球で戦った旧知のサンズの存在が大きかったという。

助っ人勢、ルーキーの隔てなく、時に自分のライバルにもなりうるチームメートへ惜しみなく助言を授け成長を促そうとする背番号52。そんな兄貴分の存在もあり、虎の誇る大物ルーキーはたくましく成長している。

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